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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経電子版、「電子版カイゼン部」で改善要望の取り組みを報告


 日本経済新聞電子版の商品紹介や機能の解説、イベントやキャンペーンの告知などを行うPRサイト「日経電子版 広報部」には、「電子版カイゼン部」というコーナーが設けられている。ユーザーの声で電子版をより良くしていくことを目的に、機能改善の進捗状況を「見える化」している。

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 内容はユーザーインタビューやセミナーで受けた提案や、投稿フォーム(カイゼンリクエスト)から寄せられたユーザーからの改善リクエストに対し、「デスクのシゲさん」が「検討します」「できました」というステータスを随時報告していくもの。かつて一世を風靡したソフトバンク孫正義社長の「やりましょうリスト」を彷彿させる出来だが、他のユーザーからどんな要望が寄せられ、それに対して運営サイドがこれから何を改善していくつもりなのか良く理解できる。

 例えば直近の報告では、「iOS向けアプリの『朝刊・夕刊』自動ダウンロードはいつ?」というAndroidアプリには存在している機能のiOSへの実装要望に対し、「技術的な問題で当初予定していた昨冬には実現できなかったが、早期に実現したい。時期については改めて連絡する」と検討段階であることを説明している。また、改善例では「保存した記事に自分のメモをつけたい」という要望に対し、「できました」と回答し、機能の概要を説明したものなどがある。

 もちろん孫社長もそうであったように、ユーザーからの要望すべてに答えている訳ではないだろうし、運営サイドの方針とも一致する、回答しやすい要望に絞って進捗状況を公開する、いわゆる「都合の良い要望」のみを抽出しているという側面もあるだろう。

 それでも、今後どういう機能を改善していくつもりなのかを示し、ユーザーからの声が少しでも生かされているかを可視化することの意味は大きい。月々4,000円以上の料金を払う有料会員にとって、自分の日々利用するサービスが今後どのように改善されていくのかは非常に興味があることであるし、機能の追加や改善のスケジュールを待つ楽しみも増えるかもしれない。

 本家の方はかなり熱意も冷めてしまったようだが、こちらはユーザーの声をサービスに生かす取り組みの象徴として、末永く続いていってほしい。