edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経デジタル、終活サイト「ソナエ」開設 シニア世代に情報提供

「人生の終わり」をみすえた“終活”をテーマにした情報サイト「終活WEBソナエ」がこのほどオープンした。好評の季刊誌『終活読本ソナエ』(産経新聞出版)のコンセプトをもとに、産経デジタルが運営。「葬儀・仏事」「霊園・墓地」など「ハッピーエンディング」を迎えるための情報と、シニア世代の生き生きとした生活実現に役立つ「アクティブライフ」情報で構成し、「生前から死後まで」幅広い話題を提供する。
 高齢化社会の到来、地縁や血縁の希薄化、社会保障の縮小…。サイトの石垣良幸編集長は「現代は『不安の時代』。深く、重いテーマですが、『安全・安心』につながる情報が提供できれば無用な不安もなくなるはず。『明るい終活』の編集方針で、人生を自分らしく仕上げるお手伝いをします」と話している。
「明るい終活」始めます 新サイト「ソナエ」がオープン - SankeiBiz(サンケイビズ)

 産経デジタルは3月31日、「人生の終わり」をどう迎えるかという“終活”をテーマにしたウェブサイト「終活 WEB ソナエ」をオープンした。2013年7月に産経新聞社の新規事業として創刊され、第4号(2014年春号)まで発売されている季刊誌「終活読本ソナエ」をベースに、同誌や産経新聞の記事のほか、ウェブ編集部による独自取材記事などを掲載している。利用は無料。

終活WEB ソナエ
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 サイトは訃報記事を中心としたニュース記事や、「葬儀・仏事」「霊園・墓地」といったテーマや、介護や健康といったシニアライフを充実させるための情報が掲載されている。葬儀や霊園・墓地選びのハウツーでは、「見積の取り方」「石材店の選び方」といった基礎知識を学ぶことができる。

 また、Q&AサイトであるOKWaveのシステムを利用して「みんなの広場」を開設し、編集部が出した「お題」にユーザーが回答する参加型のコーナーを設け、ユーザー同士の情報交換の場を作っている。「お葬式で流して欲しい音楽は?」や「元気でいられるオススメの趣味は?」といった、他のQ&Aサイトではなかなかピックアップされないお題が設定され、ユーザーから回答が集まっている。ユーザーからの回答一つ一つに丁寧に編集部がお礼を返しているのが印象的だった。

 間違いなくこれから必要とされる情報ジャンルの媒体であり、目の付け所はさすがだ。まずは紙の出版媒体で認知を図り、ある程度浸透してきたところでウェブを開設するあたりの戦略も理にかなっている。まさに機を見るに敏な産経だ。

 おそらくウェブで狙っているのは墓石や霊園、葬儀といった分野の情報検索、仲介サービスを行う広告モデルではないだろうか。この分野は不動産や自動車売買、就職・転職のように、ユーザにウェブを通して無料で情報の検索や比較といった機能を提供し、サービス提供者に課金するというモデルがまだ本格化していないように思われる。まずはニュースと読み物サイトとして人を集めて媒体力を高め、そこからビジネスに発展させていくというモデルだろう。リクルートが手をつける前に一本立ちできるかどうかが成功の鍵となりそうだ。

 ところで、同じく大手町に本社を置く日本経済新聞社は昨年11月に「日経デュアル」という、働くママ&パパの育児と仕事をテーマにしたウェブサイトを立ち上げている。それぞれ「子育てと仕事の両立」と「終活=人生の最後をどう迎えるか」という、ある意味ライフステージの対極にあるカテゴリーの情報サイトが、産経と日経という会社でそれぞれ立ち上がったことについては、それぞれの会社が意識するユーザー層が対照的に表れているようで、大変興味深い。