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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経電子版の有料会員が30万人突破 朝刊部数の1割を超す

 「日本経済新聞 電子版」の有料会員数がこのほど30万人を超えました。2010年3月の創刊以来、紙の新聞と電子版の併読が増えています。電子版は朝刊・夕刊との連動記事を拡充しており、紙面とパソコン、携帯端末を組み合わせた新しい新聞の読み方が広がっています。
 世界の新聞メディアの電子版有料会員数は米ニューヨーク・タイムズが113万人、米ウォール・ストリート・ジャーナルが90万人、英フィナンシャル・タイムズが33万人(米AAM調べ)。日経電子版はそれに次ぐ規模になりました。無料会員登録を含めた会員総数は、189万人に達しています。
http://www.nikkei.com/topic/20130523.html

 5月23日に日本経済新聞電子版の有料会員数が30万人を超えたことが発表された。2013年4月のABC部数で日経新聞の朝刊は約289万なので、2010年3月の創刊時に当面の目標とされてきた「朝刊発行部数の1割」(参考)を、3年2カ月で超えたことになる。公表された数字ベースの会員推移は以下のグラフを参照。

 グラフを見ると、今年2月以降に有料会員がこれまでよりも鋭く伸びているがことがわかる。2月時点の有料会員数が26.4万人となっていたので、3月から5月までで3万5千人以上が増加。転勤や入社、転職など、ライフスタイルが大きく変わることが多い季節に、新しく電子版購読を始めたり、既存の紙の新聞から切り替えをした人が多かったのだろう。電子版単独会員の比率は、2012年7月が約45%に対し2013年1月で約47%と若干増加した一方、朝刊部数は同時期に297万から289万と減少傾向で、紙を止めて電子版という流れがじわじわ広まっていることは確かだ。朝刊部数の減少はともかく、電子版についてはいよいよこれまでの成果を収穫していく時期に入ったということだろうか。
 5月からは電子書籍「日経ストア」に21日に開設。年初にアナウンスされていた「Wプラン読者への電子書籍2冊の無料提供」も始まる見込みで、紙とのセット購読読者に対する付加サービスも始まる。また、31日には日経電子版のウェブサイトがスマートフォンやタブレットに最適化される予定だ。
 リリースに掲載されていた有料会員の年代属性を見ると40代以上が63%とはいえ、ネットの情報にあまりお金を払わなさそうな30代と20代以下が合わせて37%もいることにも驚く。すでに有料サイトというブランドが定着しつつある今、無料会員と有料会員の間を埋める橋渡し的なプランがあれば、この層にさらなるアプローチが可能ではないだろうか。月末のスマホ・タブレット版での利用を主眼に、ライト版のような商品が生まれてきたら面白いかもしれない。