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西日本スポーツ、電子版「西スポプラス」創刊 紙の購読者は月額735円

 西日本新聞社は3月29日、西日本スポーツの電子版「西スポプラス」を創刊した。ソフトバンクホークスやサッカー、地域スポーツなど、西日本スポーツの主要な紙面をパソコン、スマートフォン、タブレット端末で、紙面イメージそのまま読むことができる。過去の紙面は1カ月分読むことが可能で、未使用写真グラフなど、電子版のオリジナルコンテンツもプラスされる。ただし芸能面など一部の面は含まれていないようだ。
[公式サイト]⇒西スポプラス
 利用には「qBiz 西日本新聞経済電子版」でも利用しているID制度の「西日本新聞パスポート」への会員登録が必要。月額1,575円で決済方法はクレジットカードのみとなるが、紙の西日本新聞もしくは西日本スポーツを定期購読している場合は735円と割引価格となり、月々の新聞購読料に追加で支払うことになる。
 スマートフォンやタブレットでの閲覧はダウンロードが必要なアプリではなくウェブブラウザを利用する。スマホやタブレットでもスムーズに拡大縮小でき、ストレスを感じることなく閲覧ことができた。機能は画像の縮小拡大のみで、朝日や日経の紙面ビューアーのように記事をテキストで閲覧できたり、記事の保存ができるといった機能は備えていない.

 これまで西日本スポーツは電子新聞販売サイト「新聞オンライン.COM」で、九州以外のユーザー向けの「西スポPICK UP」という電子版の発行を行なっていた。おそらく紙の新聞に影響が出ることを考慮して「九州以外」という販売条件をつけたものと思われるが、今回の「西スポプラス」では九州のユーザーも対象にしているところが大きく異なる。しかも、紙の購読者に対しては割引価格で提供するというサービスも加えており、従来から大きく方針転換したようだ。
 「西スポプラス」の発売により、月3,160円である紙の西日本スポーツを止めて、月735円の電子版に流れる人も出てくるだろうが、そういった読者がある程度居ても構わないという経営判断なのだろう。スポーツ紙というビジネスモデルがジリ貧になりつつある今、むしろ印刷や流通コストがそれほどかからないことを生かし、ユーザー自身の利用したいデバイスで、読みたいときにいつでも読むことができる電子版を割安な価格で提供することで、読者層を若い世代に広げていきたいという思いを感じた。
(追記 2013/4/9 0:05)4月8日付ジャーナリスト新聞によると、現在「新聞オンライン.COM」の中で販売展開している「西スポPICK UP」は今夏をメドに会員を「西スポプラス」に誘導し、商品を一本化するとのこと。電子新聞販売サイトの下ではなく、自社ブランドの会員組織の中で事業を継続していくようだ。