edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

教育現場向け電子新聞「朝日新聞デジタルfor school」発売 

 朝日新聞社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:木村伊量)は4日、電子新聞「朝日新聞
デジタル」の姉妹版として「朝日新聞デジタルfor school」を開発、発売しました。
 教育現場では今後、パソコン、タブレット、プロジェクター、電子黒板などのIT機器をインターネット接続しコンテンツを表示するスタイルの授業が増えていくと言われています。こうした変化を踏まえたデジタルサービスとして、「朝日新聞デジタル for school」を開発しました。「朝日新聞デジタル for school」内では、新聞記事コンテンツをより安心・便利な教材として使っていただけるような工夫を凝らしています。
 このサービスは学校など法人との年間契約でのご利用を基本としています。契約をご検討いただくにあたり、一定期間無料でお使いいただけるモニター校制度もご用意しています。
朝日新聞デジタル for schoolを発売(PDF)


 「他社が地団駄を踏んでも追いつけないデジタル商品を次々に作る」の第一弾なのかどうかはわからないが、朝日新聞が3月4日、学校など教育現場を対象にした電子新聞「朝日新聞デジタル for School」の販売を開始した。
 ウェブブラウザでアクセスして利用する形で、主にパソコンやタブレット端末からの利用を想定している。
[サイト]⇒朝日新聞デジタル for school
 朝日新聞デジタルの姉妹版と銘打たれているが、外見は大きく異なり、左には写真を大きく扱い、右には「天声人語」「いじめられている君へ」「ニュース解説」「学ぶ」など、教育に特化した内容のコンテンツが並んでいる。過去記事検索は5年分でき、切り抜きの印刷も可能。
 教育機関が教材として新聞を購入する場合、「教材用価格」として1部40円前後(定価の3分の1から4分の1)の値段で購入することができる。紙の新聞を授業の中で使ってもらおうという普及活動の一環としての値付けだが、電子版でもそれを実現したということなのだろう。5アカウントで月2500円と、比較的安価な値段を打ち出している。
[教材用新聞価格]⇒教材用価格・問い合わせ先一覧|NIE 教育に新聞を
 ただでさえ忙しい学校の先生がこれを積極的に導入し使いこなす余裕があるとは思えないが、児童や生徒全員に学習用のタブレット端末を持たせる事例が最近増えつつあることも確か(参考1)(参考2)。こうして一括納入される端末にあらかじめブックマークとして登録されたり、ホーム画面にアイコン登録されるようになれば話は違ってくる。先生にとっては紙の新聞よりタブレット端末のほうが子どもたちに関心を持たせやすいだろうし、内容についても新聞社が提供しているという信頼性が有効だろう。
 また、電子新聞は再販制度の対象外であり、新聞販売店を通さないため朝日新聞社の営業判断で自由な値付けができる。リリースにも「一定期間無料で使えるモニター校を用意」とあるが、無料もしくはそれに近い形で提供し続けることも可能だろうし、極端な話「学校として紙の新聞○○部の購読を続けてくれたら、デジタルはサービス」という営業手法も考えられる。戦略商品としての意味は大きいのかもしれない。