edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経電子版、無料会員の記事利用を月10本に半減 紙面イメージをスマホでも

 おかげさまで日経電子版は3月で創刊3周年。グローバルなビジネスに役立つメディアとして一段の飛躍をめざし、春のリニューアルを実施します。
 第一弾として3月から順次、スマートフォンで紙面イメージをそのまま閲覧できるアプリの提供をスタートします。続いて5月には、スマホやタブレットのブラウザからも快適に電子版を読める新サービスを公開。いつでもどこでも、パソコン版とほぼ同等のコンテンツ、機能を活用いただけるようになります。5月には関連サービスとして、電子書籍ストアも開設する予定です。
 一連のサービス拡充に伴い、無料登録会員向けのサービスを一部見直すことといたしました。3月以降、無料登録会員の方が閲読できる有料会員限定記事の本数を、現在の月20本から月10本に変更いたします。
春のサービス強化のお知らせ:日本経済新聞 電子版

 日経電子版が「春のサービス強化」として3月から順次サービスや機能の強化を始める。その中でも大きな変更が、これまで月に20本であった無料登録会員が閲覧できる有料会員限定記事の本数を半分の月10本に減らすということ。これまで無料登録で利用してきた会員にとっては痛いサービス変更だが、強気な姿勢は有料会員数の順調な伸びが影響しているのだろう。2月1日時点の有料会員が26.4万人、無料会員が170万人を越えており(参考)、無料会員の記事利用を制限することで、有料会員への入口としての位置づけをより明確にする方針を打ち出したと言えそうだ。
 このほか、これまでiPadおよびWindows8向けに提供してきた紙面ビューアーアプリをiPhoneおよびAndroidといったスマートフォン向けにもリリースする。朝日の先行例を見てというわけではなく前から準備してきたのだろうが、これで朝日・日経という2大電子新聞の両方が、スマートフォンで紙面をそのまま見られるようになる。地下鉄の駅間でも携帯の電波が届くエリアが増えつつある現在、ついにこれで紙の新聞を開くことから開放される人も増えるだろう。
 また、5月にはスマホのアプリではなくブラウザからアクセスしてもパソコン版とほぼ同等のコンテンツ、機能が使えるように改修される。紙面イメージが中高年層向けだとすれば、こちらの改修はソーシャルメディアを使いこなし、ブラウザでのコンテンツ消費が主流の若年層向けか。新聞社として初めてLINEスタンプを提供したりNAVERまとめに一部記事の転用を許可するなど若年層へのアプローチも抜かりない。
 このペースならば今年中の有料会員30万人は手の届く範囲内だろう。部数比で1割の読者が電子版となれば重みは全く変わってくる。先日Twitterでの記事へのコメントで「『ファミ通』の『ファミ』ってなに?」といわれてたように、「『朝日新聞』の『新聞』ってなに?」って思われる時代がくるんだろうな」という感想を呟いてくれた人がいたが、そういう時代もそう遠くないのかもしれない。


(追記 2012/3/2 12:30)
 3月1日よりApp StoreにてiPhone向け紙面ビューアーアプリの配信が始まっている。「日本経済新聞電子版」とは別アプリでの提供となっている。最大1週間分の「朝刊」「夕刊」「プラスワン」全国の「地域経済面」のほぼすべて紙面を読むことができる。記事のキーワード検索や切り抜きイメージのスクラップ、AirPrintを利用した印刷にも対応する。Android版の紙面ビューアーアプリは4月提供予定とのこと。
日経電子版 広報部|iPhoneで日経電子版 2つのアプリでフル活用