edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞、政党・候補者の政治姿勢を「見える化」 比較が容易に

 新党結成が相次ぎ、乱戦模様の衆院選。ところで肝心の政策課題について、各党、候補者はどう考えているのでしょう。朝日新聞と東京大学谷口将紀研究室は共同でアンケートし、1300人を超す候補者から回答を得ました。原発、消費税といったテーマをめぐる各党の立ち位置が一目で分かるほか、選挙区ごとに候補者の比較もできます。一票を投じる前、じっくりチェックしてみて下さい。
朝日・東大谷口研究室共同調査:第46回総選挙:朝日新聞デジタル

 朝日新聞がウェブサイトの選挙特集ページ上で、東京大学大学院法学政治学研究科谷口研究室と共同で実施した立候補者アンケートがなかなか興味深い。候補者の政策課題についての意識を探るアンケートの結果を、ウェブのインタラクティブ性を生かして表現している。
 具体的には「憲法を改正すべきだ」「長期的には消費税率が10%よりも高くなるのはやむをえない」といった「賛成」「反対」で分けられる26の質問と、「日本外交の優先順位」「採決時の党議拘束」「家族の基本形」といった、2択の回答が用意された9つの質問を選ぶと、各政党の回答を一覧することができる。気になった質問の結果を手軽に選ぶことができ、選んだ時にスライドするアニメーションの演出も小憎らしい。
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 また、候補者別でも同様の比較を一覧することができる。「主な候補者」として各党の中心人物がピックアップされているほか、全国の小選挙区の立候補者を、選挙区別に見ることができる。自分の選挙区の立候補者がどのような政治姿勢でいるのか、他の候補者との違いは何かということを調べるのにとても便利だ。
 「主な候補者」については絞り込んで表示することも可能で、同じ党の候補者でも見解が異なっていることがあることもわかる。
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 毎日新聞のボートマッチは利用者が20問の質問に回答していくことで、政党との一致度を算出するという方式だが、回答の仕方によっては複数の政党の数値が近接してしまい、より投票先を悩むことになってしまう可能性もある。この朝日の方法であればより手軽に政党や候補者の意見比較を行うことができる。どちらが優れているというものはなく、ユーザー自身が選挙に対しての考えを深める目的であれば毎日のほうが、より手軽に政党や候補者の比較を行いたいのであれば朝日のほうが有効であろう。
 いずれにせよ1000人をはるかに超える立候補者からのアンケート回答集計を行い、それぞれがこのようウェブならではの工夫を凝らし、紙面だけでは表現できないコンテンツとしてまとめ、多くの利用者に提供していることは報道機関として大きな意義がある。
 ただ少し残念だったのが、このサイトがパソコンからの使用を前提としているところ。スマートフォンでも閲覧できないことはないがやはり操作しにくい。毎日のボートマッチが対応しているだけに、朝日新聞のウェブデザインや技術力からすれば、スマホでも見やすいサイトを用意することは可能だったはず。また、「政策課題 候補者の考えは 朝日・東大谷口研究室共同調査」という長く硬い名称が付けられているが、毎日の「毎日ボートマッチ えらぼーと」のように呼びやすいコーナータイトルがあっても良かったのではないかと思った。