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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日刊スポーツ、ONE PIECE新聞を発売 映画公開に合わせ4週連続で 

 日刊スポーツ新聞社は11月22日から、4週連続で、人気漫画『ONE PIECE』(集英社)を特集した専門紙として「週刊ONE PIECE新聞」(タブロイド判オールカラー28ページ、300円)を発行する。『ONE PIECE』連載15周年と、3年ぶりの映画「ONE PIECE FILM Z」の公開(12月15日)に合わせた。新聞社と『ONE PIECE』がコラボレーションし、紙媒体を発行するのは初めて。
(2012年11月19日付文化通信より)

 月刊AKB48グループ新聞を昨年12月16日に創刊した日刊スポーツが、週刊ジャンプ連載の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」を特集した期間限定の週刊新聞の第1号を11月22日に発売した。12月13日の木曜日まで毎週1回、合計4回の発行予定。1部300円で、コンビニや駅売店をはじめ、全国のASA(朝日新聞販売店)や、東京・大阪のONE PIECE公式グッズ専門店「麦わらストア」で販売されている。
[詳細]⇒週刊ONE PIECE新聞特集 : nikkansports.com
 第1回は原作者の尾田栄一郎さんのロングインタビューや週刊ジャンプの編集者の対談のほか、主人公である「ルフィ」を大きく取り上げたページや、担当声優の田中真弓さんへのインタビューなどが掲載されている。中面には抜き取り型の紙面があり、コミックス68巻までの表紙と扉絵が一挙に掲載されており、広げてみると壮観だ。
  
 紙面では子どもが読みやすいように全ての記事にルビをふっている。なお文化通信の元記事によると、発行部数は月刊AKB48グループ新聞と同程度の35万部を予定しているとのこと。
 スポーツ報知が人気アニメ「まどか☆マギカ」の劇場版公開に合わせ特集新聞を発売したのに続き、日刊スポーツは「ONE PIECE」の新作映画公開に合わせた週刊新聞を4回に分けて発売する。作品は異なるが、扱うテーマは似ており(原作者・出演者インタビュー、あらすじ紹介、作品トリビアなど)、映画の関連商品としてパッケージ化されつつあるとも言える。映画館で販売されるパンフレットとそれほど内容が変わるわけではないのだろうが、「コンビニで300円で買える」という点で購入の敷居は非常に低い。
 「ONE PIECE」は週刊ジャンプに15年にわたって連載され、単行本の累計発行部数は2億8000万部(68巻時点)を超える超人気漫画。最近では単行本の初版発行部数が400万部を超え、出版されること自体がニュースとなっているほどだ。
 昨年から始まったスポーツ紙がエンタメに特化したタブロイド専門紙を発行する流れはほぼ定着したようだ。コンビニや駅売店に陳列できるという既存流通ルートや、雑誌と比較したときの印刷コストの安さによって生まれた「コンビニで300円」というモデルが、若い世代にも手を出しやすくしているのだろう。経営状況は決して良いとは言えないスポーツ新聞社だが、従来の「単一商品・大量部数」のマスメディアモデルから「多数商品・少〜中部数」へのモデル転換へ取り組んでいる姿勢を感じさせられた。