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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

神戸・山陽の読者会員クラブが連携企画 発行エリア外の加盟店で特典提供

 神戸新聞社と山陽新聞社はこのほど、両者の読者クラブ「神戸新聞ミントクラブ」と「山陽新聞さん太クラブ」との連携企画として、「備前市でスイーツを食べて『備前焼 遠赤玉』をもらおう!」を展開した。隣接する地元紙同士が、発行エリアを超えて、読者クラブの会員と加盟店の双方にメリットを提供するもの。
 今回の企画ではミントクラブの会員が、岡山県備前市を観光して、「さん太クラブ」に加盟しているスウィーツ店で、「ミントクラブ」の会員カードを提示して飲食すると、「備前焼 遠赤玉」がもらえるというもの。ミントクラブのホームページでは、今回の企画で「スイーツを食べると遠赤玉がもらえる店舗」の掲載と合わせ、「カレーを食べるとサービスのある店舗」も紹介した。
 (2012年11月12日付ジャーナリスト新聞より)

 兵庫県を地盤とする神戸新聞の読者会員組織「ミントクラブ」の会員が、隣県である岡山県備前市の飲食店をで飲食を時に特典を受けられるサービスを10月19日から開始した。サービスを受けられる店舗を岡山県を地盤とする山陽新聞の読者会員組織「さん太クラブ」の加盟店ネットワークを利用しているところがミソで、地方紙同士の新たな連携企画として注目される。なおさん太クラブの会員にも同種のサービスが受けられ、ウェブサイトによると遠赤玉のプレゼントは11月25日までとなっている。
[神戸の読者会員向け]⇒ミントクラブ|神戸新聞 読者クラブ
[山陽の読者会員向け]⇒秋限定スウィーツを食べて会員カードを提示すると「備前焼 遠赤玉」進呈(11月25日まで)|山陽新聞さん太クラブ
 山陽新聞読者クラブの加盟店にとっては隣県からの観光客を誘引できる点で、神戸新聞読者クラブの会員にとっては兵庫県外でも特典を受けられる店舗が増えるという点で、双方にメリットが説明できるのだろう。
 新聞購読者に対して会員登録を募り、会員を対象にしたプレゼントの実施や発行エリア内で割引・特典が受けられる店舗を加盟店として紹介する読者会員組織は神戸や山陽以外の地方紙で昔から数多く開設されている(中国新聞ちゅーピーくらぶ河北新報かほピョンくらぶ愛媛新聞アクリートクラブ道新ぶんぶんクラブほか)が、発行エリアを越えてサービスを受けられるという例は珍しい。新聞業界では「競争と協調」というのがホットなキーワードであるが、記事・写真などのコンテンツや印刷設備・航空機などハード・インフラ面の相互利用だけでなく、読者優遇サービスの相互連携という形でも現れてきたようだ。
 当然今回の逆パターンで、山陽新聞の読者クラブの会員が兵庫県へ観光した時に神戸新聞読者クラブの加盟店でサービスを受けられるという例も考えられるだろう。地域間の人の交流を促進・活性化するという効果も期待でき、上手くいけば行政をも巻き込むことができるかもしれない。
 なお、特典として提供される「遠赤玉」とは球形の備前焼で、これを入れるとご飯がふっくら炊けたり、お風呂のお湯がなめらかになったり、天ぷらやフライが早く、おいしく仕上がる効果があるらしい。