edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

神戸新聞の会員組織「ミントクラブ」が10万人突破 4年9カ月で 

神戸新聞社が運営する会員制愛読者組織「ミントクラブ」の会員数が7月23日で10万人を突破した。読者サービスを充実・強化することで、長年の購読・支援に応えていこうと、創刊110周年(2008年2月)のプレ記念事業の一環で07年11月1日にスタートさせて以来、約4年9カ月での大台到達となった。
 同クラブでは、発足以来(1)イベントへの招待・優待(2)特産品などのプレゼント(3)提携店・施設の割引――といった会員限定の特典とともに、専用サイトを通じて読者に役立つ情報を提供してきた。
 3年目以降、月2回の本紙1ページ特集を中心に、プレゼントは毎月60品目以上、約1,000人分を用意。これらに月平均32,000件(はがき7,000/PCメール2万/携帯メール5,000)の応募がある。(中略)
 会員数は1年足らずで3万人、2年弱で5万人をそれぞれ突破、今年7月23日現在、100,109人(男性37,556人/女性62,545人/不明8人)で、居住地別では神戸市内9区が42,724人と約4割強を占める。60代が25,580人と最も多く、50代19,829人、40代18,357人と続く。職業別では、主婦33,324人、会社員24,005人、無職・その他18,452人の順。
 10万人は超えたが、さらなる会員増が必要と同社では考えており、「20万人にするには、今までと異なる手立てを工夫しなければならない」(豊田瑞樹読者サポートセンター副センター長・ミントクラブ事務局長)状況にある。
 会員を増やすこと以外にも課題はある。(1)提携店を増やす(2)収益化ーーだ。
 会員カード提示で様々な特典が受けられる提携店は現在約620店だが、「会員が増えれば増えるほど、プレゼントが当たらない人たちが増える。そこをカバーするには、せめて提携店が身近にあるという状況をつくらなければならない」(同)という事情がある。
 また、メールマガジンを対象にしたアンケートで読者の生の声を集め、紙面に反映させている。今年実施したアンケートはいずれも1,000件を超えた。
 収益化などの課題を抱えながら、今秋には発足5周年を迎える。これを記念して、トヨタ自動車のハイブリッドカー「アクア」(1台)を目玉とした特別プレゼントを実施する計画だ。
 (2012年8月24日付新聞之新聞より)

 兵庫県の県紙・神戸新聞社が運営する愛読者組織「ミントクラブ」が7月23日に10万人を突破した。元記事を長々と引用してしまったが、具体的な数値が多く盛り込まれており興味深い内容であったため紹介したい。
 神戸新聞ミントクラブは16歳以上であれば県内・県外を問わず誰でも登録できる。個人会員制のため、家族何人でも登録できる。また、神戸新聞未購読者の登録も可能。ただし、提携店で割引サービスが受けられるは兵庫県内に居住の会員のみで、新聞販売店から会員証を届けられる。いわゆる「読者会員組織」ではないが、神戸新聞社を中心とした地域のゆるやかな会員制サービスといったところ。なお、名前の由来は2006年10月に開業したJR三ノ宮駅前の複合商業施設「ミント神戸」(旧神戸新聞会館)から。
 プレゼントと提携店・施設での割引サービスが2本柱で、プレゼントは毎月60品目以上を用意。ミントクラブウェブサイトのトップページで「45賞品747人に当たるプレゼントをアップ中!!」のように具体的な数値でアピールするなど、力を入れている様子がわかる。月平均で32,000件の応募があったり、紙面への読者を集めるアンケートでも1回あたり1,000件を超えるなど、活発に利用されている様子が伺える。読者との接点を増やすという点では一定の効果を上げていると言えそうだ。
 また、会員属性も興味深い。女性比率が男性の1.5倍以上と高く、プレゼントや割引サービスなど女性受けしそうなコンテンツの効果が現れているようだ。ただ、年代の比率では60代以上が最も多く、40代以上が7割以上を占めていることには少々気になる。若者の新聞離れ及び読者の高齢化と軌を一にしているようであり、20代30代にどのように広げていくかが今後の課題のように思われる。
 神戸新聞はこの夏、関西電力による電力需給の逼迫に備え、電力使用率が97%を超える可能性がある際に、緊急メールを送信するサービスを実施する計画をしていた。今後はプレゼントや割引といった情報だけでなく、身の回りの安全・安心に関する情報を配信していくというスタンスなのかもしれない。
[参考]⇒神戸新聞、電力使用率上昇時に緊急メール配信 - edgefirstのメモ