edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

中日新聞に締切後も相次ぐ震災義援金 6次分1億円を被災3県に

 中日新聞社中日新聞社会事業団(小出宣昭理事長=中日新聞社社長)は8月6日、東日本大震災の被災者らに向けて中部地方や首都圏の読者から寄せられた義援金の第6次分として、福島県に5000万円、宮城県に4000万円、岩手県に1000万の計1億円をそれぞれ送金した。
 同事業団は中日新聞本社と東京、北陸、東海の各本社、支局、通信部などを通じて読者からの義援金の寄託を受け入れてきた。
 昨年9月30日に義援金を締め切り、総額84億2782万2916円(計8万2257件)の善意が寄せられた。この間、4月、5月、8月、11月の4次に渡り、被災各県に義援金を送付してきた。内訳は宮城45億円、岩手22億円、福島15億2782円、茨城1億円、千葉1億円。
 締め切り後も途切れなく読者から義援金が送られ続け、今年に入り3月に第5次分の2億円(宮城1億、岩手5000万円、福島5000万円)を起こり、今回第6次分を送った。
 これで震災義援金寄託総額は87億2782万2096円となった。
 (2012年8月8日新聞情報より)

 東日本大震災の発生からもうすぐ1年半になるが、中日新聞社には締め切り後も読者から義援金が送られ続けている。
 昨年9月末で募集を締め切った時点での義援金の総額は84億円であったのが、その後も寄託が相次ぎ、今年3月に2億円、そして8月に1億円と、その後の1年で3億円を超える金額が集まっている。中部地方の新聞読者の継続的な支援の姿勢を示していると言えるだろう。
 なおこの金額は新聞社が集めたものとしては全国トップで、今年3月の調査では2位の朝日新聞社や3位の読売新聞社にダブルスコアをつけており、単純に部数に比例していないところが興味深い。
[参考]⇒新聞社募集の震災義援金、トップは中日の86億円 - edgefirstのメモ
 「地方新聞社に義援金が集まるのは、新聞紙面に名前が載るのが単純に嬉しいから」と言う人もいる。確かにそういった面もあるだろう。ただ、昔ある町内会の会長さんから聞いた話だが、町内会で寄付を募ったり、祭りなどのイベントで募金を行った際に、集まった金額を新聞社に持っていくことが、「ちゃんと寄付しましたよ」という証明として使えるそうだ。
 もちろん日本赤十字社社会福祉法人に寄付をすれば領収書が出るが、現実問題として募金に応じてくれた人全てにその領収書を見せるわけにはいかない。そこで「○月○日の新聞に載っている」ことが、手軽な告知手段として機能する。単に“名前が乗るから嬉しい”という理由だけではない、地方紙のシェアの高さがもたらす地域コミュニティへの定着を肌で感じるエピソードだった。
 少し気になったのは、当の中日新聞社はどれだけ寄託したのかなということ。少なくともネット検索した限りではそういった情報は見当たらなかった(例えば日経はサイト内でグループとして7000万円を寄託したことを告知している)。「善行は黙ってやるほうが奥ゆかしい」のかもしれないが、隠すようなことではないのだから、もう少し積極的に情報発信してもよいのではと思った。