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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経本紙と電子版の合計購読数は318万 電子版単独比率が5割に迫る

 日本経済新聞社は17日、2012年6月の「日本経済新聞」朝刊販売部数(日本ABC協会公査)と7月1日時点の「電子版」会員数を公表しました。新聞部数と電子版有料会員数を合わせた購読数は318万8391となります。今後、半年ごとに最新の部数、会員数を紙面、電子版でお知らせしていく予定です。

日本経済新聞・電子版購読数合計 318万8391
日本経済新聞朝刊販売部数 297万675
電子版有料会員数 21万7716
(うち新聞と併読除く電子版単体) 9万8970
無料登録会員を含む電子版会員数 146万6412

(2012年7月18日付日本経済新聞より)

 日本経済新聞社が18日、紙面とウェブサイトの両方で朝刊部数と電子版の購読数を合わせた詳細な数字を発表した。紙面では社会面の囲み記事として、ウェブサイトでは右メニューの下部に大きめのスペースを取り、「日経新聞朝刊・電子版の購読数318万に」とアピールされている。Wプランの契約者について紙と電子版の数字をダブルカウントするのは違和感がなくはないが、電子版単体の内訳を明示しているので納得はできる。
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 まず驚いたのは電子版単独の比率の高さ。有料会員数21万7716に対し紙との併読ではない電子版単体の会員が9万8970と45%を占め、半分に迫る勢いだ。併読と単独の比率については、当初見込み20%、創刊直後は30%程度であったことから、その比率はかなり上がっていると考えてよいだろう。
 3月から始まった「Touch! The Nikkei」キャンペーンでは、もはや紙は登場せず、電子版iPadアプリでの利用を全面的にフィーチャーしている。紙を切り捨てる準備が整ったとまでは言わなくとも、現在紙を読んでいる世代はそのままに、これからの世代に対しては無理に紙を押し付けることはせず、新しいデバイスで柔軟に利用してもらえば構わない――という意図すら感じさせられるキャンペーンだった。
 なお、日経は2012年4月のABC公査部数からこれまで死守してきた朝刊300万部を割り込んでいる。電子版との合計購読数では依然「300万」という数字を超えていることをアピールするという狙いもあったのかもしれない。
 海外の電子版を持つ新聞社はプリント板と電子版の合計数を積極的に発表しているし、日本でも雑誌の部数についてはABC公査で紙媒体と電子媒体を併記する動きが始まっている(参考)。電子版についても広告主への媒体効果の説明のために、いずれ第三者機関による購読数の確認が必要になってくる。今回の日経の発表が、電子媒体の媒体指標の枠組みづくりについての先鞭をつけることになることになっていくのだろうか。