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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

読売KODOMO新聞、創刊から1年余りで20万部突破

 読売新聞社の「読売KODOMO新聞」の発行部数が、全国で20万部を突破した。昨年3月3日の創刊から1年余りで、部数はほぼ倍増し、5月10日号は約22万部まで増加している。小学館の特別協力を得て、本紙にはない工夫を積み重ねた紙面作りが公表を得ている。業界をリードする読売新聞が、子ども向け新聞でもブームの火付け役となり、引っ張っている格好だ。読売新聞は5月10日の本紙朝刊で社告とカラーの1ページ特集を掲載し、KODOMO新聞の20万部達成をPRした。
 読売KODOMO新聞は昨年3月3日、タブロイド判16ページの週刊新聞として創刊した。読売新聞東京本社の編成部員と社会部員が編集に携わり、学年誌作りの経験が豊富な小学館の特別協力を得て、従来の子ども向け新聞の発想から離れた大胆なレイアウトや色使い、見出しを採用している。
(2012年5月16日付新聞之新聞より)


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昨年3月の創刊以来、好調ぶりは伝え聞こえてくるものの、なかなか部数が表に出てこなかった読売KODOMO新聞だが、5月10日に社告で20万部を達成したことを発表した。
 元記事によると、創刊時の配達エリアは関東地方1都6県で、10万部強でスタート。2カ月後の5月5日から全国展開を始めて15万部を突破。7月には祖父母らが購読料を負担し、離れて暮らす孫らに最寄りの販売店から配達する仕組みも導入した。12月からは紙面を20ページに拡充したが、値段は500円のまま据え置いている。小学館は従来の新聞社にはない発想で、「忍者もの」「恐竜もの」など、子どもが夢中になるテーマを次々と取り上げ、長年培ってきたノウハウを存分に発揮しているとのことだ。
 低価格戦略で朝日・毎日の小学生新聞に攻勢をかけている読売KODOMO新聞。かなり朝日小学生新聞あたりは打撃を受けているかなと思い最近のABC部数を確認してみたが、2012年3月で130,011部(前年同月比▲29,982)と絶好調だった昨年春と比べれば多少沈みはあるものの、昨年7月の119,033部からは若干持ち直している。一昨年に比べれば朝小も3万部近い部数増。縮小傾向にある業界の中で、新たな市場をできたと言って良いのではないだろうか。
 とはいえ、20万部といえば1千万部の2%程度。販売店に対し本紙部数に応じた目標数値があったのかもしれない。ABCの認証を受けているわけではなく、あくまで自社発表の数字であることには留意が必要だ。社として「数こそ力」を地で行くような方針を掲げるだけに、まさか小学校にドンと子ども新聞の束を送りつけているなんてことはない、と信じたい。一部のファミレスやホテルなどで読売新聞を「キャンペーン」と称して無料配布しているように…。