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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経電子版、全国22の地域経済面をPCとiPadで提供

 日本経済新聞 電子版は2012年5月9日から「地域経済面」の紙面イメージの提供を始めました。
 紙面イメージはパソコン向けサービスの「紙面ビューアー」とiPadアプリ「日本経済新聞 for iPad」で読めます。
 朝刊・夕刊と同じく、地域経済面も直近1週間分をご覧いただけます。
 全国22ブロックの地域経済面を提供しますので、地元の経済情報はもちろん、気になる地域の独自ニュースが読めます。
 たとえば出張先の最新の経済情報のチェックや、故郷の話題を調べるといった使い方ができるようになりました。
日経電子版 広報部|全国の「地域経済情報」を網羅「地域経済面」紙面イメージの提供を始めました


 今年1月1日の日本経済新聞紙面で告知されていた、電子版での「全国の地域版」の提供が5月9日に始まった。対象は有料会員限定。これまでの日経電子版では地域経済面として東京地域(首都圏)の紙面イメージを提供してたが、全国22の地域経済面すべてが配信されるようになった。
 紹介されているとおり、東京の本社から各地方の産業動向をウォッチしたり、出張先の経済状況をチェックするには確かに便利だろう。PC版では記事単位の切り抜きや印刷も可能なので、スクラップを取るのも楽だ。ただしiPadアプリでは、日経本紙の紙面イメージでは利用できる記事のメール送信や印刷などの機能が現時点では使えない。
 ここまでコンテンツが充実してくると同じグループで運営しているビジネスデータベース「日経テレコン21」との食い合いが(他人事ながら)心配になってくる。これで日経MJや日経産業の紙面イメージまで読めるようになれば個人的には完璧なのだが、別媒体はさすがに別料金でと考えているのだろうか。
 朝日新聞デジタルも1月下旬からPC版で全国の地方版の配信を始めたが、iPadアプリでは提供していない。また、朝日新聞本紙の紙面イメージ配信については(現時点では)否定しているのに対し、日経にはそういうこだわりが全くといっていいほどない。テキストだろうが紙面イメージだろうがどっちでもいい。紙だろうがパソコンだろうがiPadだろうが利用者が読みたい方式で提供すればよいという、非常にユーザー本位な考え方だ。
 新型iPadのより高精細な液晶画面とより早くなったCPUを使えば、紙面イメージの閲覧もかなり快適だ。なかなか他社では真似できないことだが、ユーザーに対して「紙もデジタルも一体の商品」としてアピールするのであれば至極もっともな戦略といえる。