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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

石巻日日新聞「6枚の壁新聞」がドラマ化 日テレ系で3月6日に

 昨年3月11日の東日本大震災直後から6日間にわたって手書きの壁新聞を作り、一日も休刊することなく被災者に情報を届け続けた宮城県石巻市の「石巻日日新聞」の逸話が日本テレビ系でドラマ化されることが明らかになった。「3.11その日、石巻で何が起きたのか〜6枚の壁新聞」(3月6日放送)と題されたドキュメンタリードラマで、震災直後に人気アニメ「アンパンマン」の声で応援メッセージを寄せるなど被災地に寄り添った活動を続けてきた戸田恵子さんや、同県女川町出身の中村雅俊さんが孤立した被災地に情報を届け続けた記者を演じる。
東日本大震災:石巻日日新聞の「壁新聞」がドラマに - MANTANWEB(まんたんウェブ)

 3月4日にテレビ東京系列で「河北新報のいちばん長い日」がドラマ化され放送されるのに続き、3月6日午後9時から10時48分まで日本テレビ系列で「3.11その日、石巻で何が起きたのか〜6枚の壁新聞」がドキュメンタリードラマとして放送される。
[公式サイト]⇒3.11 その日、石巻で何が起きたのか~6枚の壁新聞|日本テレビ
 石巻日日新聞は震災と津波の影響をまともに受け、社屋も水につかり輪転機も水没、電気もない状態となり、通常の編集・印刷が全くできなくなった。そんな限界状況で、3月12日から17日までの6日間、懐中電灯の明かりを頼りに作られた手書きの新聞を作り、避難所に張り出して被災者に情報提供行った。これが大きな反響を呼び、困難を乗り越えて発行された歴史的な紙面として米ワシントンにある報道博物館「NEWSEUM(ニュージアム)」に収蔵されることになった。
 河北新報が宮城県全域を中心にした東北地方のブロック紙であるのに対し、石巻日日新聞は石巻市や女川町などの地域を対象にした地域紙であり、より地域密着の度合いは高い。ドラマでは、交通網も寸断され電話も不通という当時の状況を再現するとのことだが、市町村では最大の犠牲者を出した石巻市が舞台となっているだけに、3.11を振り返る上では欠かせない番組企画となりそうだ。
 以下の動画が石巻日日新聞・武内宏之報道部長にインタビューした動画。震災直後の社内の様子や壁新聞の制作模様、今後の課題などが報道部長の口から語られており、ドラマを見る上での予習に最適といえる。ちなみにドラマでは柄本明が演じる予定。
[参考動画1]⇒中日新聞:「6枚の壁新聞」から1年(椙山女学園大学提供):動画ニュース
[参考動画2]⇒中日新聞:被災者の思い〜記者が語る石巻〜(椙山女学園大学提供):動画ニュース


 テレビ局各局も3・11から1年を振り返る様々な企画を用意しているようだ。同じ報道機関の奮闘振りは同業者としてリスペクトの対象であり、全てを失っても「できることを、できるだけやる」という姿勢は共感できるところが多いのだろう。勇気や希望、そして未来へ向かう力を与えてくれるようなドラマを期待したい。