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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞デジタルがアサヒ・コムと統合へ GLOBEや全国の地域版紙面も提供



 (図:1月5日付朝日新聞朝刊より引用)
 1月5日の朝日新聞朝刊に、「機能も速さも飛躍の年 進化続く朝日新聞デジタル」という見出しで朝日新聞デジタルについての1ページの特集が掲載された。年末に「アサヒ・コム終了へ」という観測記事がFACTAJ-CASTで流れたが、それを裏付ける内容も含まれている。
 概要は以下の4点。引用部分は1月5日付紙面から。

アサヒ・コムと朝日新聞デジタルの統合

 パソコン版では、朝日新聞の総合情報サイト「アサヒ・コム」を統合し、内容のいっそうの充実を図ります。
 長年培ってきたアサヒ・コム独自の特集や記事を、段階を追って再編。朝日新聞デジタルに一本化し、利便性を向上させます。

 ニュースを中心とした総合情報サイトとしてこれまで長年運営してきたアサヒ・コムを、段階的に朝日新聞デジタルに一本化させることを明言している。秋山社長は「読者から、『無料のアサヒ・コムで十分ではないか』とよくお叱りを受ける」などと業界紙インタビューで発言してきたが、いよいよシステム・運用面でも一本化する体制が整ったということなのだろう。なお、時期については「段階的に」としか書かれていない。
 それにしても、現時点では比較的シンプルに構成され、「面」として読ませることに心を砕いてきた朝日新聞デジタルに、アサヒ・コムのマス広告媒体としての要素が加わるとどのようなページ構成になるのだろうか。おそらく日経電子版のように無料で読める記事も相当量用意してページビューも確保しつつ、有料記事へ誘導していくという方針になるのだろうが、これまでこだわってきた「面」という構成と、デザインをどのように融合させるのか、今から楽しみだ。

全国の地域版紙面をPCで閲覧可能に

 全国各地の地域面について、その日の朝日新聞朝刊にのった紙面をそのまま見られる機能を加えることにしました。今月下旬にパソコン版でサービスを開始する予定です。

 1月下旬からその日の全国の地域面を紙面イメージの形でパソコン上で閲覧できるサービスを提供する。かつて読売新聞社が会員サイト「ヨリモ」の新聞購読会員を対象に「今日の県版(2011年3月にサービス終了)」をやっており、サービス自体目新しいものではないが、有料会員向けのコンテンツ拡充としては大きな意味があるだろう。特に夏の高校野球の地方大会の時期は、地元の高校の活躍を読むのに利用されそうだ。

GLOBEウェブサイトとアプリも有料化へ

 月2回、日曜に朝日新聞の別刷りで発行されている「GLOBE」も、近く登場する有料電子版を無料でご覧いただけるようになります。
 GLOBEのウェブサイトとiPadアプリケーション(アプリ)は今年、内容が大幅に充実します。これに伴って順次有料化されますが、朝日新聞デジタルの購読者の方は追加料金なしでお読みいただけます。

 白い紙面と横組みレイアウト、「世界とつながる新日曜版」をキャッチフレーズにこれまで展開してきたGLOBE。現状、無料公開しているGLOBEのウェブサイトiPadアプリを内容を強化した上で有料化する。ただし朝日新聞デジタルの有料会員であればどちらも追加料金なしで読めるようになるとのこと。
 iPadアプリやウェブサイト単体でも課金した上で、朝日新聞デジタルの会員ならどちらも追加料金なしというのはシステム的になかなか興味深い。朝日新聞は購読していないが、GLOBEだけはお金を払ってでも読みたい要望にも応えられる。また、アップルのプラットフォームを通す必要があるiPadアプリで、こういった手法が取れるのはさすが朝日だと思う。

アプリ版で試し読みが可能に

 iPadiPhone、アンドロイドOS搭載のスマートフォンやタブレット型端末でご利用いただいているアプリ版は、新年早々に大きな機能改良を予定しています。
 現在は購読の手続きが終わらないとアプリを使えませんが、改良版アプリでは、端末にダウンロードしたらすぐに使い勝手を試すことができるようになります。
 アンドロイド・タブレット版に4日、「24時刊」の1面をさかのぼってみることができる「タイムマシン」機能を追加するなど、そのほかの機能改良も進めていきます。

 これまでアカウントを持っていなければ何もできなかったアプリに、使い勝手を試せる機能が搭載される。前述の秋山社長インタビューでは「スタート時点ではiPadiPhoneなどの電子端末で閲覧する人が多いとの想定でしたが、現実にはパソコンで見ている人が6割以上と多い」とのことなので、もっともっとスマホやタブレットで多くのユーザーに使ってほしいということなのだろう。


 なお、業界紙の新年インタビューによると、朝日新聞デジタルの有料会員数は7万人弱まで伸びたとのこと。5月の創刊から半年で7万弱ということだが、8月の有料化開始時点では2万5千と苦戦している様子だったので、秋以降の営業に力が入ったようだ。
 1995年の開設以来、日本を代表するニュースサイトの一つであるアサヒ・コムが有料媒体の朝日新聞デジタルと統合することは、新聞社のデジタル事業にとって大きな転換点となることは間違いない。日経電子版はネットでよく読まれそうな記事を意図的に無料で出している印象があるが、朝日もそのように上手に有料記事と無料記事の折り合いをつけられるか、注目したい。