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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

河北新報の地域特化オピニオンブログ「オピのおび ふらっと弁論部」

ウェブ

 インターネット事業会社である株式会社ライブドア(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:出澤剛 以下、ライブドア)は、株式会社 河北新報社(本社:宮城県仙台市 代表取締役社長:一力雅彦 以下、河北新報社)と株式会社ローカルメディアラボ(本社:佐賀県佐賀市 代表取締役社長:牛島清豪 以下、ローカルメディアラボ)の3社共同で、東日本大震災から半年となる2011年9月11日、東北から全国・世界に向けて多彩な意見を発信するオピニオンブログメディア「オピのおび ふらっと弁論部」をオープンしました。
 「オピのおび ふらっと弁論部」とは「オピニオン(主張)の帯」の意味で、細い糸がより合って太い帯になり、東北から世界へと広がっていくように、願いを込めて名づけた地方発のオピニオンブログメディアです。地方発のオピニオンを集めたブログメディアとしては、今年4月にオープンした佐賀県に特化したオピニオンブログメディア「ばってんがサイト」に続く二つ目となります。
東北地方に特化したオピニオンブログメディア 「オピのおび ふらっと弁論部」をオープン! - プレスリリース 2011年 - プレスルーム - ライブドア


 オープンから少し時間がたってしまったが、興味深いウェブサイトを河北新報が立ち上げた。
 9月12日に、大手ポータルサイトを運営するライブドア、地域の情報発信を支援するローカルメディアラボと共同で、東北からの多彩な意見を発信するオピニオンブログメディア「オピのおび ふらっと弁論部」をオープン。いわゆる地域で活動する人々をブロガーとし、ニュースでは取り上げられない生の声をブログで展開することを目的としている。
[公式サイト]⇒オピのおび ふらっと弁論部 / 河北新報
 ライターの一覧はこちら、ホームレスや貧困の問題に取り組む弁護士、災害に遭った子どもを支援するNPOの代表など、多彩な経歴を持つ17人でスタート。現在は3人増え総勢20人となっている。
 先日は仙台の会社社長のブログで、政府や自治体による手厚い支援が、結果的に震災からの立ち直りを遅くしており、日本の将来のためにも「これ以上助けなくても良いのでは」と訴えるエントリ「あえて、あえて言おう!」が一部で話題となっていた。
 一見して、ライブドアの政治・経済・社会ブログを整理・紹介するニュースサイト「BLOGOS(ブロゴス)」によく似たレイアウトだなあと思ったが、ドメインを河北新報のものに変え、デザインを多少変更しただけで、ライブドアのブログシステムをほぼそのまま流用しているようだ。確かにこういった形なら構築費やランニングコストも抑えられるのだろう。また、BLOGOSにも「オピのおび」から一部のエントリが転載されており、BLOGOSのユーザーにも東北地方発のオピニオンを届けられるようになっている。
[転載されたエントリ]⇒河北新報 オピのおび ふらっと弁論部の記事一覧
 ウェブ上の意見や論考を表明するメディアは、どうしても東京中心の視点になってしまう。地域の声を全国・世界に届けていくために、その場所を提供し編集と交通整理を行っていく上で地方の新聞社が果たしていける役割は少なくない。
 ただし、それは直接収益につながるものではないことも確か。そこで自前での構築にこだわらず、すでに洗練されたシステムを持っている会社と上手に連携することで、低コストで新たな言論空間を運営できているように思う。もちろん、一から自前で構築しないというということは、従来の新聞社の価値観とは相容れない部分があったり、ビジネス的に我慢しなければならなくなる局面もあるのだろうが…。
 「オピのおび」開設にあたって、河北新報社ネット事業部長の八浪氏が寄せた言葉が心に染みる。地方新聞社がネットで情報発信する意義を考えるために、一人でも多くの関係者の目に触れてほしい文章だ。

 わたくしたち新聞社の人間にとっても、震災の前と後では見るもの、聞くものみな違ってきたような、そんな感覚があります。誤解を恐れずに言えば、価値観や感覚が、それこそ地震に揺すられて変質してしまったのかもしれません。
 わたくしたちは震災直後に号外を出し、翌朝には朝刊を届けました。「あの揺れと停電の中でよくぞ」と多くの読者に驚かれ、また喜ばれました。
 停電でテレビが見られない人、新聞が手に入らない人々のために、ツイッターで記事や生活情報を流し続けました。
 紙面に入りきらない情報や、取材のスポットが当たらない地域の様子を伝えるため、学生らと一緒に「情報ボランティア」という取り組みを始め、全国から集まるボランティアたちの活動を記録し、また首都圏などに向けブログで発信し続けてきました。
 仮設住宅の世話をしている人々を紹介するブログは、パソコンを持たない被災者たちには読んでいただけないため、A3サイズの紙に刷って「かわら版」として配布したりもしています。
 すべては、つながっています。情報は、必要な人に必要な形で届けるものであって、届ける手段がなければ別の方法を探すまで、です。言うなれば「紙かネットか」ではなく、「紙もネットも」。いかに効果的に組み合わせ、立体的に展開するか。これが、被災地にあり、被災者に寄り添い続ける地元新聞社の務めだと、はっきり思い知りました。
「はじまり」の「A(ラ)」 : オピのおび ふらっと弁論部 / 河北新報