edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

下野新聞、電子書籍サイト「トチポン」で高校野球グラフや連載を販売

 下野新聞社は、ホームページ「SOON」上で新たに電子書籍サイト「トチポン(栃本)」を開設。これまで発刊し好評だった本や写真グラフ、さらに紙面で反響の大きかった連載企画などを電子化した。
 昭和50年代に発刊し絶版となった「高校野球グラフ」(735円)では、第1弾として53年の大会をピックアップ。作新が逆転サヨナラ2ランで小山を下した名勝負のほか、全試合の記録、チーム写真、メンバー表などが見られる。

 女性に人気の「とちぎのまち歩き ほんのりカフェ時間」(525円)は、県内70店を紹介。宇都宮の知的障害者が誤認逮捕された事件の舞台裏を捜査関係者の証言をもとに描いた力作「無実 宇都宮誤認逮捕・起訴」(525円)などが購入できる。
 もう一度見たい、読みたいと思えるような作品を随時、投入していく。利用できる端末は、PC、iPad、スマートフォンなどです。「下野新聞 トチポン」で検索できる。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20111016/636498


 栃木県の県紙・下野新聞社電子書籍販売サイト「栃木の本棚 トチポン」を10月14日にオープンした。昨年大流行したクーポンサイトっぽい名称だが、過去に発行した高校野球の写真グラフ雑誌や、栃木のカフェを紹介した書籍、紙面に掲載した連載企画などが並んでいる。値段は1冊あたり315円から735円。
[公式サイト]⇒http://shimotsuke.wook.jp/
 構築には「wook(ウック)」というクラウド型電子ブックストア開設サービスを利用しており、購入した電子書籍はPCおよびiPhone/iPadAndroidの各端末でいつでも閲覧できる。配信フォーマットとしては、紙面をそのまま画像化したPDF方式と、リフロー(文字の大きさを自由に変更できる)に対応したePub方式の二つを用意。面白いのは、iPhone/iPadePub形式をダウンロードで閲覧する場合のみ、iBooksやi文庫HDといったePubに対応したビューアでの閲覧が可能なこと。PDF方式については基本的にwook専用アプリでないと見られないのだが、ePubをダウンロードする場合のみ、他のアプリでも閲覧できる。
 また、facebookまたはtwitterのアカウントを持っていれば、wook独自のアカウントは不要でログインできる。wook自体がソーシャルメディアとの連携を強く打ち出していることもあり、わざわざ別のアカウントを作らなくても、facebookのアカウントでそのままログインできるというのはネットになれたユーザーにとっては便利だ。
 wookでは、電子書籍ストアを開設する場合の費用をサイト上で告知している。それによると、法人プランを利用する場合、販売する電子書籍の容量が1GBまでで、初期費用5万円、月額1万5千円、販売手数料25%となっている。単純計算で500円の商品が40冊くらい売れれば月額の費用は賄えてしまうわけで、マガストアのような販売サイトに商品提供するだけではなく、独自のプロモーションが行える電子書籍販売サイトを構築したい場合にはかなり低コストで可能となる。
 福井新聞社が電子書籍の単体アプリをAppStoreで販売したり河北新報社が朝日新聞社のWEB新書に参加するなど、地方紙も少しずつ有料コンテンツ販売に乗り出している。様々なプラットフォームが続々と生まれては淘汰されていくだけに、どれが決め手なのかはわからないが、経験値を上げていくという意味ではフットワークの軽さが重要になっていくのだろう。
[参考]⇒「沖縄発の本」を電子書籍で全国へ──沖縄eBooksの挑戦 (1/2) - ITmedia eBook USER