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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日小学生新聞の躍進ストップ 読売KODOMO新聞の攻勢が影響か

 ABC協会はこのほど、7月の新聞販売部数(月別レポート)をまとめた。それによると、朝日小学生新聞は前年同月比ではプラス傾向にあるが、今年3月の15万9993部をピークに減少が続いている。読売新聞社が「読売KODOMO新聞」の全国展開を始めたのが5月。朝日小学生新聞は6月に前月比約2万部減となり、7月には同1万5131部減の11万9033部となった。
(2011年8月29日付文化通信より)

 4月のABC部数で前年同月比6万部増(約4割増)と絶好調であった朝日小学生新聞が、このところ減少傾向にある。3月には16万部に達しようという勢いだったのが、6月・7月とそれぞれ2万・1万5千部ほど減少。7月には1月とほぼ同じ水準の11万9千部まで戻ってしまった。
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 まだまだ前年同月比ではプラス(2011年7月で+14,151)とはいえ、これまでのような大幅な部数増は難しくなっている。背景には読売の「読売KODOMO新聞」のスピーディーな全国展開がありそうだ。3月3日に関東の1都6県で発売して以来、4月には関西圏で、5月からは全国で配達できる体制を整えてきた。朝日小学生新聞は毎日発行の月1,720円に対し、読売KODOMO新聞は週1回発行で月500円。大人でも新聞を毎日読むのは大変であり、週1回でワンコインなら…という乗り換えを誘っているような感じだ。
 読売KODOMO新聞の部数は明らかになっていないが、業界紙によると7月8日の東京本社販売会議で宮本副社長(販売担当)は「読者紹介キャンペーンによるカードが9万枚を突破」と話している。また、8月には中部地方で中日新聞が「中日こどもウイークリー」を創刊しており、こちらは読売を意識した週1回・月450円。朝日にとっては厳しい戦いが続きそうだ。ライバル社間で部数を食い合うだけでなく、新聞を取らなくなった世帯というマーケットも開拓していければいいのだが…。