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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

河北新報が朝日の課金システムに参加 震災関連のWEB新書刊行

 河北新報社は朝夕刊に掲載した膨大な注目ニュースや連載記事を、テーマ別にコンパクトにまとめた電子書籍コンテンツ「WEB新書」を創刊しました。
 新聞掲載が複数にまたがる連載なども、一冊5000字前後に読みやすく再編集しています。当面は東日本大震災関連の報道の中から、仙台市や石巻市、宮城県南三陸町など各被災地の象徴的被害を伝える記事4、5本を一冊にまとめた「これだけは知っておきたい! 東日本大震災」シリーズに力を入れます。
河北新報/WEB新書のご案内

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県の地元紙・河北新報が、朝日新聞社の課金・決済システムである「Jpass」を利用してコンテンツ販売を始めた。8月3日に朝日新聞の有料コンテンツ販売サイト「WEB新書」で六つのコンテンツを並べている。記事購入には朝日新聞デジタルでの課金でも使われている「Jpass」への登録が必要。購入したコンテンツはPCのほかスマートフォン向けに最適化された画面でも閲覧できる。
 ラインナップは「これだけは知っておきたい!東日本大震災」というシリーズで、内容は南三陸町や石巻市の被害の実態などを示した連載をまとめたものや、子どもの被ばく対策をまとめた記事など。河北新報は「仕事やボランティア活動などで現地に入る際、『これだけは知っておきたい』というエピソードが手軽に読めるようになっていますので、ご活用ください」とPRしている。今後、毎月数冊を追加していく予定。
[一覧]⇒河北新報社の一覧 - WEB新書 - 朝日新聞社(Astand)20110808173615
 なお、朝日の課金・決済システムであるJpassは“オープン”なプラットフォームとして他社にも開放されており、毎日新聞もサイト内で同様にWEB新書コーナーを開設。こちらでも河北新報のコンテンツも購入することができる。毎日新聞、日刊スポーツ、時事通信、講談社、文藝春秋ダイヤモンド社がコンテンツを提供しているが、地方新聞社の参加は初。
 河北新報は震災後の4月からビューンに参加し、再編集した紙面画像の配信を行っているが、今回は記事コンテンツの単体販売にも乗り出したことになる。また、携帯サイト(iPhone版も含む)は共同通信のプラットフォームであるNEWSMart(ニュースマート)の中で展開している。デバイスに合わせ提携する相手を選んでおり、地方紙の中ではかなりフットワークの軽い動きをしているように感じられる。
 ライバルが用意した“書店”で商品を売るというのは一昔前なら考えられなかったことだが、記事を「コンテンツ」として切り売りしていくならば、販路は広ければ広いほうがいいに違いない。ユーザーにとっては最も自分が使いやすいサイトで入手でき、自分の使いたい媒体でコンテンツを閲覧できることが重要だからだ。「どこで売るか」というのは供給者側の論理に過ぎないのだろう。
 震災においてもっとも存在感を示している地域メディアの河北新報が、このように柔軟に取り組んでいるのは非常に興味深い。共同通信の加盟社だからとか、全国紙が運営しているとか関係なく、是々非々の姿勢で臨んでいるように映る。「私達のような地方紙が、もっとネットメディアと繋がりながら新しい物を作っていければ、より多くの人々が巻き込むことができますし、それこそがネットの醍醐味ですよね」と語るメディア局長・佐藤氏の有言実行ぶりが如実に表れている。
[参考]⇒「被災地のメディアだからこそできることがある」河北新報社・佐藤和文メディア局長インタビュー (1/3)