edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

6月も震災本ラッシュ 岩手日報の写真集、東京新聞特報部の報道記録

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県の地元紙・岩手日報が6月17日、「平成の三陸大津波 東日本大震災 岩手の記録」と題した報道写真集を出版した。A4判148ページで1,050円。売り上げの一部は被災地支援に寄付されるとのこと。
 「平成の大津波」とタイトルにあるとおり、岩手日報の沿岸支局記者が各地で撮影した巨大津波襲来の瞬間に多くのカットが割かれている。また、震災の様子を岩手県内の市町村別に記録している。
 また、震災発生から時間が経過していることから、避難所での生活やさまざまな支援の様子も紹介。天皇、皇后両陛下の被災地訪問や、著名人の避難所への慰問の様子も収録している。

岩手日報社 特別報道写真集 平成の三陸大津波 東日本大震災 岩手の記録

岩手日報社 特別報道写真集 平成の三陸大津波 東日本大震災 岩手の記録


 また、東京新聞中日新聞東京本社)は「3・11の衝撃 震災・原発 特報部は伝えた」という震災・原発の特集本を6月18日に刊行した。東京新聞の名物コーナーである「こちら特報部」に掲載された記事を中心に、東京新聞原発・震災に関する2カ月の報道をまとめている。こちらもA4判180ページで1,050円。
 東京新聞の特報部と言えば、反原発の論客である京都大原子炉実験所助教の小出裕章氏や作家の広瀬隆氏、原発技術者の後藤政志氏らをいち早く取り上げたことで、この3カ月ツイッター等を中心にウェブ上で急速に評価を高めた。ほかにも「新日本原発紀行」という洒落たタイトルの連載企画で全国各地の原発と周辺に住む人々を取材したり、「原発天下り村の実態」や「東電、電力不足キャンペーンで“情報操作”」といったような、東京電力原発行政を厳しく批判する記事を掲載し続けている。
 しかし、東京新聞のウェブサイト上では記事の前文のみしか紹介せず、全文を読みたい場合は有料携帯サイトスマートフォンは不可)に加入するか、紙の新聞を購入してねというスタンスであったため、ネット上では不満や残念がる声も大きかった。今回の出版にはそうした声に応える意味合いもあるのかもしれない。
3.11の衝撃 震災・原発 特報部は伝えた

3.11の衝撃 震災・原発 特報部は伝えた