震災の報道写真集が総計250万部突破 河北が8刷40万部
新聞社などが発行した東日本大震災の写真集がいずれも版を重ね、主要なものだけでも250万部を突破する。東北地方での売れ行きが良く、テレビやネットで多くの映像が流れる中でも、記録性のある写真集への需要が大きいようだ。
週刊誌の増刊では、朝日新聞出版の週刊朝日臨時増刊『アサヒグラフ東北関東大震災全記録』(定価500円)が5刷60万部、AERA増刊『東日本大震災100人の証言』(500円)が2刷20万部、同『東日本大震災レンズが震えた』(980円)が2刷12万部、毎日新聞社のサンデー毎日緊急増刊『東日本大震災』(500円)が5刷42万部、同『東日本大震災2』(同)が2刷32万部、講談社のFRIDAY増刊号『東日本大震災』(580円)が2刷20万部。
書籍では、地元・河北新報社の『3・11大震災巨大津波が襲った』(1000円)が8刷40万部、同じく地元・福島民報社の『東日本大震災 ふくしまの30日』(1300円)が6刷6万部。朝日新聞出版の『報道写真全記録 東日本大震災』(1575円)が4刷13万部、読売新聞社の『東日本大震災−読売新聞社報道写真集』(1575円)が3刷8万3000部、産経新聞出版の『闘う日本 東日本大震災』(1365円)が5刷7万7000部。(後略)
(2011年5月16日付文化通信より)
未曾有の大災害となった東日本大震災を扱った報道写真集の売れ行きが好調との記事が、新聞・出版分野の業界紙である文化通信で紹介されていた。主要なものだけでも250万部に達するという。
ウェブ上に震災を扱った写真は少し探せばあふれているし、Youtubeなどの動画サイトでは被災者自身が撮影した震災当日の津波被害の映像なども多数アップされているが、手元にとって保存しておけるという紙媒体への需要はまだまだ根強いようだ。
特に河北新報の出した報道写真集は、初版3万部のところ、4月9日の発売時点で既に3刷13万部に達しており、これまで取引のなかった取次にも配本。その後も5万部ごとの重版で40万部に達したという。収益の一部は被災地復興にも使われるとのこと。内容の一部はこちらで立ち読みできる。
巨大津波が襲った3・11大震災―発生から10日間の記録 緊急出版特別報道写真集
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また、同じく被災地である岩手日報は6月中旬に「平成の三陸大津波2011/3/11岩手の記録」を発刊する予定とのこと。
元記事で取り上げられている写真集はいずれも震災から1カ月程度で発行されたもの。原発事故はいまだ収束しておらず、被災地の復興にはこれから長い時間がかかっていくだろう。朝日新聞の写真集がわざわざタイトルに「3・11−4・11」と日付を区切っているように、各社とも続刊をそろそろ仕込み始めていることではないだろうか。歴史の記録という意味でも意義ある仕事だと思う。
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