edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

東奥日報も6月から土曜夕刊休止、子供向け新聞開始

 東奥日報社(青森市、塩越隆雄社長)は5日付朝刊に社告を掲載し、6月5日に「週刊小中学生新聞」を創刊、同11日以降の土曜夕刊を休刊することを明らかにした。
 週刊小中学生新聞はタブロイド判16ページで、日曜日の朝刊とセットで配達。ニュースや話題を分かりやすく紹介、解説し、大人も楽しめる内容にする。高校受験を控える中学生向けに2ページの学習ページも設ける。
 土曜夕刊の休刊は、週休2日制が定着し、読者のライフスタイルが変化したことなどが理由。また月曜から水曜の夕刊を8ページから6ページにする。読者のニーズに応えた紙面に改編し、情報量は減らさないとしている。
ページが見つかりません - MSN産経ニュース

 青森県の県紙・東奧日報が6月から土曜日の夕刊を休止し、日曜日の朝刊に小中学生向けの新聞を組み合わせて配達することを決定した。また、月曜から水曜の夕刊も8ページから6ページへ2ページ減らす。
 今年の4月から静岡新聞が土曜夕刊廃止・子供向け日曜版開始という全く同じパターンの施策を行っている。東奥日報が前から計画していたのかどうかは不明だが、結果的に静岡新聞の後追いというケースになった。理由として挙げられている「週休2日制が定着し、読者のライフスタイルが変化した」というのは、静岡新聞の販売局長もほぼ同意のことを業界紙のインタビューで答えている。そういえば静岡新聞東奥日報も数少ない完全朝夕刊セット制(朝刊単独での購読を認めない)新聞だった。
【参考】静岡新聞販売局長「土曜夕刊廃止は経費削減が理由ではない」 - edgefirstのメモ
 朝日小学生新聞や毎日小学生新聞の部数増、読売KODOMO新聞の創刊など、「教育」をテーマに新聞をアピールする動きは強い。地方紙の連合である共同通信も子供向けコンテンツを配信しており毎日新聞も琉球新報に小学生コンテンツを提供するなど、活用できる素材も増えてきている。
 今回の子供向け新聞は、小学生から高校受験を控えた中学生までと対象は幅広い。子育て世帯をターゲットに、なんとかして新聞という媒体への接触回数を高めたいという意志を感じ取れる。
 今の体制を維持した上で、さらに新しい領域に手を広げるではなく、削れるところは削った上で、その浮いた力を読者の求めるものに振り向ける姿勢が明確。かつてのようにそう簡単に値上げができない中、どうやって新規領域に進出するためのコストを捻出するか。単なる経費節減目的なのか、それとも読者ニーズに合わせた展開なのか、各社の戦略の違いが今後もこういった時に見えてくるだろう。