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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

毎日新聞、仙台に「復興支援総局」 釜石に「三陸支援支局」を5月開設

 毎日新聞社は5月、東日本大震災の被災者支援や復興にかかわる報道の拠点として、宮城県仙台市の仙台支局に「東日本大震災復興支援総局」を開設する。また、未曾有の被害を受けた三陸の中心部となる岩手県釜石市には「三陸支援支局」を設ける。東北地方の被災者支援や復興にかかわる情報を両局で集約し、全国に向けて発信。より一層被災者と被災地に寄り添った報道に努め、地域再生への道のりを支援していくことになる。
 3月11日に巨大地震と大津波が起きて以来、毎日新聞社は震災の被災者と全国を結ぶ「希望新聞」を見開きで掲載し、被災者に必要なライフラインなどの情報を発信するとともに、安否確認の手助けをしてきた。避難所などで被災者らから高い評価を得ており、新設する支援総局と支援支局は、さらに充実した被災者支援にかかわる情報を集約・発信するための拠点となる。
 (2011年4月20日付新聞情報より)

 毎日新聞が東日本大震災の報道体制について、5月に新たな動きをスタートさせる。被災地支援と復興にかかわる情報の集約と、これまで以上に「被災者に寄り添う報道」に努めるため、宮城県仙台市と岩手県釜石市に「復興支援総局」と「三陸支援支局」の拠点を設置する。4月10日に社からのお知らせして紙面とウェブサイトに掲載された。
社告:東日本大震災 被災地に支援支局 - 毎日jp(毎日新聞)
 これまで毎日は岩手県遠野市に取材基地を置いてきたが、復興や必要な支援が長期にわたることを考慮し、もともと手薄であった東北地方の取材基地を強化したという意味合いがありそうだ(【参考】毎日新聞の取材網) 岩手では地元紙と提携し記事配信契約を2010年4月から結んでおり、自社の取材網を縮小させたことも影響しているのかもしれない。
 元記事にある「希望新聞」とは、もともと1995年の阪神大震災のときに「被災者に希望を」と生活サポート情報などを掲載した特別紙面。今回の大震災でその名前を復活させた。紙面の画像は日々PDFで公開され、ウェブサイト毎日.jpから閲覧できる。また、携帯電話に最適化された軽量版のページも用意している。地元紙並みに手厚い生活支援情報を、一つのシンボル的な銘柄のもとに紙面・ウェブ・携帯電話などを駆使して日々提供しているのは報道姿勢として特筆されることだ。
希望新聞 - 毎日jp(毎日新聞)
希望新聞(携帯電話)
Twitter:毎日新聞・東日本大震災希望新聞取材班
 毎日新聞とは今回の大震災の報道で、読者の心に響く記事をたくさん出している。最近では「『顔が水より冷たく…』 被災児童が日記」という、多くの犠牲者を出した岩手県山田町の児童による日記を紹介した記事は、毎日.jp上の記事だけでもツイッター上で4000回近く言及され、フェイスブックでも600回以上「おすすめ」されている。ヤフーニュースなどの記事配信先のポータルサイトで記事を読んだ人を含めればその数はさらに増えるだろう。児童だけでなく家族との信頼関係あってこそ書けた記事であり、「被災者に寄り添う」報道姿勢が結実した一つの証ではないだろうか。