edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日の小中学生向け新聞が海外読者向けの電子版開始

 朝日新聞社と朝日学生新聞社は1日、朝日学生新聞社が発行する「朝日小学生新聞(朝小)」と「朝日中学生ウィークリー(朝中)」の電子版を海外在住のユーザーに提供するサービス「こどもアサヒデジタル」(http://digital.asagaku.com/)を開始した。
 「こどもアサヒデジタル」は、朝小と朝中の紙面をPDF形式の電子ファイルで届けるサービスで、日本国内で発行する紙の新聞と同じ内容をパソコンの画面で楽しむことができる。国内からは利用できない。
 バックナンバーの閲覧期間は朝小が7日間分、朝中が10日間、画面は印字することもでき、学習面の問題を解くのに便利で表示イメージの拡大や縮小も可能。
 電子版の料金は、朝小が月額1720円、朝中が月額940円。朝日新聞社が提供する課金・認証サービス「Jpass」を利用し、クレジットカードでの決済となる。申し込んだ月の購読料は無料で、翌月から購読料が発生する。
 (2011年4月11日付ジャーナリスト新聞より)

 毎日小学生新聞と並び長い伝統を持つ朝日小学生新聞・朝日中学生ウィークリーが、海外在住者向けに電子版を4月1日から開始した。
 ⇒朝日小学生新聞・朝日中学生ウイークリーの海外向け電子版 - こどもアサヒデジタル
 内容としては、国内で販売される紙面をそのままPDFファイルにしたもの。月額料金は紙の新聞とそれぞれ全く同じであり、電子版と言うことで安くはしていない。
 課金システムとしては、朝日新聞社の有料コンテンツ販売サイト「Astand」をオープンしたときに構築した「Jpass」を利用する。外部業者のプラットフォームを使わないあたり、朝日の意地のようなものも感じる。
 個人的にいいなと思ったのは、「印刷」についてきちんと配慮しているところ。「電子版の利用方法」を解説したページに、「読みやすいサイズで印刷するには」というコーナーがある。朝日小学生新聞はブランケット判(A2サイズ)のため、一般家庭で普及しているA4のプリンターでは文字がつぶれて読むことが難しい。このためわざわざA4サイズ2枚も分けて印刷する方法を解説している。細かいところで配慮が行き届いているなと思った。
 国内で子ども向け新聞の需要が高まる中、子どもを連れて海外赴任している世帯にもきっとニーズがあると踏んだのであろう。確かに海外赴任するようなビジネスマンは教育熱心というイメージがある。朝日小学生新聞は中学受験対策で読まれているようなところもあるそうなので、海外のように学習教材が国内に比べ入手しにくい環境では重宝されるかもしれない(もちろん「落第忍者乱太郎」が読めるのも嬉しいだろう)
 あえてシンプルなPDFにしているのも、データ加工に余計なコストがかからないという理由もあるだろうが、印刷して書き込みしたり貼り付けたりして使って欲しいとのことだろう。
 ただ、なぜ配送・印刷コストがかからないのに(しかも国内不可なのに)紙と同じ値段なのか、ということについて疑問は残る。値段はいつでも下げられるから、とりあえずは高めで出しておこうということなのか。