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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経新聞iPhone/iPad版で大阪夕刊の配信開始 

 産経デジタルは、東日本で発生した地震を受け、iPhone向けアプリ「産経新聞iPhone版」とiPad向けアプリ「産経
新聞HD」で、14日より夕刊紙面を配信する。
 今回配信されるのは、産経新聞大阪本社発行の最終版となる夕刊紙面。震災で被災したユーザーをはじめ、正確な情報を伝えるための緊急対応として、配信することになったという。夕刊では、当日未明〜昼の情報がまとめられ、17時前後に配信される予定。配信期間は当面の間とされる。
 これまで提供されてきた朝刊は東京本社発行の最終版で、配信時間は従来通り、午前5時となる。
産経、iPhone/iPad向けアプリで夕刊配信 - ケータイ Watch

 無料で配信を続ける産経新聞iPhone版(iPad版は30日1500円)が、3月14日から大阪夕刊の配信を開始する。配信期間は「当面の間」となっており、東日本大震災を受けた緊急措置であるとのこと。
公式リリースはこちら(PDF)
 もともとこれまでの産経新聞iPhone版は、2002年3月に夕刊を廃止し朝刊単独版となった東京本社朝刊の最終版を配信しており、この措置により「東京本社朝刊+大阪本社夕刊」という、かなり変則的な配信となる。
 「新聞は朝刊と夕刊はセットで一つの商品」というポリシーを持つ業界では邪道ともいえる取り組み(朝刊と夕刊で掲載ニュースが重複したり、夕刊で報じたニュースが翌日朝刊で初報扱いになるなどの問題が起こる)だが、利用するユーザーにとっては夕刊テレビ欄などが在阪放送局のもの(よみうりテレビや毎日放送など)になっている程度くらいしか変化に気づかないかもしれない。
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 この取り組みの目的は「東日本大震災で被災者や、周辺地域の混乱による情報需要への緊急対応」となっているが、本音は首都圏を中心とした一般ユーザーへの震災報道充実だろう。夕刊ではその日の早朝から昼にかけてのニュースをまとめて閲覧できるため、帰宅時に昼間の動きをiPhone画面上の紙面でチェックという利用が想定される。
 大阪夕刊と東京朝刊の組み合わせはちょっと乱暴だなというのが正直な感想だが、紙面が震災報道で埋め尽くされている現在ではそれほど問題にはならないと判断したのだろう。日経や毎日などの全国紙各社が、震災関連のPDF紙面などをウェブサイトに掲載する動きを進めているが、200万ダウンロードを達成した産経新聞iPhone版であればかなりの利用者に閲覧されそうだ。