edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

中国新聞が3月から電子版 朝刊読者にPCで全地方版を提供(追記あり)

 中国新聞社が3月1日に創刊する中国新聞朝刊の電子版は、朝刊の定期購読者であればパソコンで読めます。すべての地方版を読めるのが特長です。朝刊を購読していない方には有料で提供します。
 中国新聞電子版は、紙の朝刊をそのまま画像イメージにして、パソコンや多機能端末iPad(アイパッド)、多機能携帯電話iPhone(アイフォーン)に配信します。長年見慣れた紙面とレイアウトは変わりません。記事や写真を簡単に拡大したり、ページをめくったりできます。
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 広島県を中心とする地方紙の中国新聞が3月1日に電子版を開始するとのニュース。配信する内容はいわゆる「産経新聞iPhone/iPad版」と同じく、紙面イメージをそのまま配信する形式。パソコンやiPhoneiPadの画面で拡大縮小したり、ページをめくったりして閲覧することができる。
 朝刊の定期購読者はパソコンの画面上では無料で見ることができ、iPhoneiPadで見る場合はプラス1050円となる。中国新聞を購読していない場合は月3150円の料金で、パソコンとiPhone/iPad両方で見られるようになる。申し込みには中国新聞の読者会員サイトである「ちゅーピーくらぶ」への申し込みが必要。
 特徴としては、電子版では中国新聞の全地方版を読むことができること。締め切り時間が遅い広島市内向けの最終版に、広島、山口、岡山、島根の各県向け地方版がすべてセットになっている。具体的には広島市民▽圏域▽呉・東広島▽県北▽福山▽尾三▽山口総合▽岩柳 周南・山口▽防長路▽井笠 おかやま▽島根の各地方版が含まれる。昨日、中国地方で何が起こったかということを一覧して眺めるには便利そうだ。
 また、こちらの電子版の概要説明のページによると、iPhoneiPadで見る場合の追加料金1000円は販売店によって集金されるようだ。日経電子版が基本的にクレジットカードのみ対応で、本社が集金するのに対し、販売店を利用してデジタル商品の集金を行うスタイルは目新しい(朝刊を購読せず、電子版のみの場合はクレジットカード)。販売店と本社の間で読者管理を共有していなければできないスキームである。

Q 紙の新聞に加えてiPadまたはiPhoneで購読する場合、追加料金の支払い方法はどうなりますか。
A 現在お読みいただいている新聞の購読料の支払い方法がそのまま使えます。
朝刊電子版ガイド - 中国新聞

 気になるのはアップルが先日打ち出したiPhone/iPadアプリの定期購読サービスポリシーとの兼ね合いか。アップルはAppstoreを通して新聞・雑誌コンテンツの定期購読を行う場合は、基本的にはAppstoreで課金を行い手数料30%を払うように求めている。iPhoneiPadで読むためには1000円必要ということになると、そのポリシーに抵触しそうな気もする。ただ、オンラインではなくオフラインで販売店が集金し、IDとパスワードを配るだけだから表面上は無料アプリという解釈でいけるのだろうか…。
 朝刊を購読していれば、PC上で全地方版を閲覧できるというサービスは、日夜生産している資産の有効活用と言える。締め切りが早い地域の人々に、最終版を届けられるというのもサービス向上の一つだろう。「ちゅーピーくらぶ」は昨年9月に会員数50万人を突破しており、うち読者の割合は75%といわれる。64万部(2011年1月ABC部数)のうち半分以上が登録しているわけで、新サービスの恩恵を受ける世帯は多そうだ。
(追記:2011/3/1 20:32)2月28日付文化通信によると、今回の電子版は中国の電子書籍システム会社の方正が開発し、共同通信が提供するプラットフォーム「NewsOasis(ニュースオアシス)」を採用している。
 また、iPadにアプリをインストールして閲覧したときの画面はこんな感じ。産経新聞iPad版同様に拡大縮小が可能で、キーワードによる検索やテキストの選択はできない。広告は白く塗りつぶされている。
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