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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

静岡新聞販売局長「土曜夕刊廃止は経費削減が理由ではない」

 2月1日に発表された4月からの静岡新聞の土曜夕刊廃止。全国でも数少ない「朝夕刊完全セット制」である静岡新聞が土曜日だけとはいえ夕刊を廃止したことについて、業界紙の「新聞情報」が2月5日付の紙面で販売局トップに取材していた。静岡新聞社の販売局長と販売専任部長へのインタビューの概要は以下の通り。

  • 大前提として「朝夕刊の完全セット制」を崩すつもりはない。
  • 広告問題(※広告収入への影響のことか?)についてはゼロではないが、ほとんど影響がない。
  • 日曜に新しい媒体(小中学生向け媒体)を作るため、直接の経費節減にはならない。
  • 土曜の輸送が日経だけになり、効率が悪くなるので対応を日経側と協議中。
  • 価格据え置きについては、新媒体を出すことによって納得してもらいたい。
  • 今回の措置が夕刊廃止の一歩と捉えられては大変困る。日曜夕刊が廃止されて数十年になり、それが当たり前になった。そこに土曜日が加わった。読者にもそう理解してもらいたい。

 「(土曜夕刊の廃止について)広告にはほとんど影響がないと思う」と言い切ってしまえるあたりなかなか興味深い発言ではあるが、個人的に一番腹に落ちたのが最後の「日曜夕刊が廃止されて数十年になり、それが当たり前になった。そこに土曜日が加わった」の部分。確かに1960年代までには日曜日にも夕刊があった。それが販売店の労働問題等から、夕刊を廃止する新聞社が徐々に全国に広まっていった歴史がある。(参考⇒日曜夕刊廃止運動の歴史「小休符があるからいい音楽ができる」: 今だけ委員長の独りごと
 決して土曜夕刊廃止を「経費削減」といった後ろ向きで自己都合な理由だけではなく、新しい媒体に力を向けるためと明確にしているところは好感が持てる。他には北日本新聞にも「読者にウェブ新聞を提供するため」という確固たる指針があった。経営陣にも「現状維持が前提」「面倒なことは先送り」ではダメだという認識があったのだろうか。