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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

毎日新聞とスポーツニッポンが経営統合 持ち株会社設立へ

 毎日新聞社と連結子会社のスポーツニッポン新聞社が、共同持ち株会社を設立することで基本合意していたことが1日わかった。持ち株会社の傘下に両社がぶら下がって経営を一体化させ、「メディアコンテンツを有機的・効率的に活用する」ほか、「新聞販売機能の効率化」を進めることを狙いとしている。
毎日が関東財務局に1日提出した臨時報告書によると、毎日とスポニチは4月1日に株式移転で共同持ち株会社を設立することで合意。毎日は1月24日、スポニチは1月28日にそれぞれの取締役会で株式移転計画を決議した。2月21日に両社が臨時株主総会を開き、計画を承認する予定。
 新会社の名称は「毎日・スポニチ持株移行株式会社」で資本金は500万円。代表取締役には、毎日の朝比奈豊社長が就く予定だ。
朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?

 毎日新聞とスポーツニッポンが4月1日に共同で持ち株会社を設立し、経営の一体化を進めていくが、関東財務局に提出した報告書で明らかになった。両社の株式を新会社に移転し、その傘下に両社がぶら下がることになる。目的として上げられているのは毎日新聞グループの経営基盤の強化、コンテンツ相互利用の促進のための組織再編、新聞販売の効率化、電子メディアへの注力の4点。
 一般紙とその系列のスポーツ紙の経営統合といえば、昨年3月に神戸新聞とデイリースポーツの合併があったが、これは神戸がデイリーを吸収した形(デイリーは会社としては消滅した)。デイリーの場合は会社組織およびポストなどを削減するコスト節減の意味合いが強く感じられたが、毎日とスポニチのケースはそれぞれ事業会社として継続するため事情が異なる。新会社を設立することにより一時的に事務や調整コストは増加する(と考えられる)ため、短期的なコスト削減策とは考えにくい。
 では、今回の経営統合によって狙っているものは何か。推測の一つだが、例えば、スポニチと毎日がそれぞれ電子メディア部門を持つのではなく、両社のコンテンツを一元的に管理する組織を新たに作る(もしくは既存の組織に割り当てる)という展開が考えられる。両社のウェブサイト一つとってもなんとなくバラバラに運営しているような感じであり、産経デジタルが産経新聞の発行する媒体のウェブサイト(サンスポやZAKZAKなど)をまとめて運営しているのに比べると、経営統合によるメリットは生かせそうな気がする。スマートフォンなどの各種端末への対応もグループとして取り組んだほうが効率的だろう。
 2000年からの10年間で全国の一般紙の総発行部数は4.6%減少したが、スポーツ紙は一般紙よりもさらに厳しく、25%ほど落ち込んでいる(日本新聞協会・日刊紙の都道府県別発行部数より)。趣味やライフスタイルが多様化する中、「スポーツ紙」というパッケージ商品に対する危機感は一般紙以上のものがあるだろう。朝日新聞と日刊スポーツ、読売新聞とスポーツ報知など、他の系列の動きも注目していきたい。