edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

毎日新聞が小学生新聞とのセットで割引価格に

 毎日新聞社は3月1日から、小学生のいる家庭で、毎日新聞と毎日小学生新聞(毎小)をセットで購読する場合、「ファミリーセット」として、お得な特別価格で提供できる教育支援制度をスタートさせる。
 新年度から小学校の新学習指導要領が施行され、学校の教材として新聞が使用されるようになることを受け、読者の負担を軽減し、子供たちが文字に触れる機会を少しでも増やしたいと願い、制度導入を決めた。(中略)
 すでに併読している読者や、これから併読する読者の双方が対象になる。本紙朝刊と夕刊、毎小を購読した場合、月ぎめ定価5,355円がセット価格4,975円になる。また、本紙朝刊と毎小を購読した場合、月ぎめ定価4,437円がセット価格4,057円となる。
 (2011年1月26日付新聞之新聞より)

 先週発売された週刊新潮で「子ども新聞戦争勃発」と揶揄されるほど各社が力を入れている「子供向け新聞」だが、その元祖ともいえる毎日新聞が新しい動きを打ち出した。いわゆるセット販売で、毎日新聞とセットで毎日小学生新聞を購入することで、400円弱割り引かれるようになるとのこと。新規読者向けのキャンペーンでなく、既存読者に対しても割り引かれるというのは良心的だ。
 気になるのは、販売店による自由な値引きを禁じる再販との関係だが、昨年9月に朝日新聞が約4割引の学割キャンペーンを行った際には公正取引委員会から「正当かつ合理的な理由」が認められるとの見解を得ていたとのことなので、今回のケースも大丈夫なのだろう。
 琉球新報でスタートしたような地方紙への子供向けコンテンツ提供と、セット販売による割引という2つの戦略を進める毎日小学生新聞。例えるならOEM生産と自社ブランド販売を手がけるようなものだろうか。販売店の力が強い地域では自社ブランドを売り、そうではない地域についてはコンテンツ販売に徹する方針といえる。
 3月3日に創刊する読売KOMOMO新聞への対策だろうか。週1ではあるが月500円という価格で攻勢をかけてくる読売に対し、今までの基盤を守っていこうという意識が感じられる。子ども新聞を梃子にして主読紙までひっくり返されたらたまらない。週刊誌に揶揄されようとも、やはり「戦争」であることには間違いないようだ。