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読売、子ども向け新聞を3月3日に創刊 小学館と協力

続報はこちら⇒読売KODOMO新聞、スピーディーに販売エリア拡大 テレビCMも開始創刊号レビューはこちら⇒まだ読んでいない人のための読売子ども新聞レビュー

 読売新聞東京本社は、小学校高学年とその保護者を主な対象とした「読売KODOMO新聞」を3月3日に創刊する。
 老川祥一社長・編集主幹が東京都内のホテルで記者会見を開き、明らかにした。
 会見には、編集に特別協力する小学館の相賀昌宏社長らも同席した。
 子どもの頃から新聞に親しむ習慣をつけてもらうのが狙いで、新聞の活用を盛り込んだ新学習指導要領が、4月に全面実施されるのに合わせてスタートする。
 タブロイド判16ページで、週1回、木曜日に発行。全面カラーで、大きな写真を中心に1週間の注目ニュースを紹介するフロントページをはじめ、写真やイラストを多用し、ニュースをわかりやすく説明する。
「読売KODOMO新聞」3月3日創刊 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 新聞業界を覆う不況の中、朝日小学生新聞と毎日小学生新聞の好調が伝えられる。それに負けじと読売新聞社が小学校高学年向けの新聞を発行することを発表した。
 読売本紙とは別媒体で、月額500円でタブロイド判の16ページ、フルカラーを週1回木曜日に発行。全面カラー化や大きさなど、子供向け新聞のニーズをきちんと満たした形での発行となる。当面は東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬の1都6県での販売。
 16ページのうち5ページを小学館に編集を委託するとのこと。これまで読売紙面で掲載してきた「ポケモンことわざ大百科」などの実績から、ポケットモンスターを全面に押し出すのではないかと思われたが、会見ではそこまでは触れられていなかった。発表記事を見る限り、別のキャラクターを用意しているようだ。また、中学受験進学塾の「四谷大塚」の協力を得て作るページや、小学校5年・6年で必修となる英語のページも用意すると言うあたりも見逃せない。
 読売はこのKODOMO新聞を、子育て家庭に入り込むための戦略商品として位置づけているのではないだろうか。月額500円とのことだから、販売店の取り分は200円くらいか。週1回の配達とはいえ、あまり収益性が高いとはいえないだろう(朝日小学生新聞は1720円、毎日小学生新聞は1430円、いずれも毎日発行)。これで収入増を狙うのではなく、新聞を取らなくなった家庭に「月わずか500円ですから」と言ってアプローチするため、もっと言えば今までビール券やプロ野球チケットを配っていたところに「お子様の教育に役立ちますよ」といって入り込んでいくために使っていくつもりではないだろうか。
 何しろ「1000万部堅持」を至上命題に掲げる読売だから、販売店に猛烈な圧力をかけていく姿が容易に想像できる。「新聞やめようか」と思っている家庭に、「こども新聞をタダでつけますから」くらいのことは平気でやりそうな気がする。
 地方紙への子供向けコンテンツ配信に乗り出す毎日新聞、赤塚不二夫キャラを使って教育コンテンツを配信する共同通信など、2011年は「子供向け新聞」がホットになりそうだ。
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