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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

琉球新報、週1のこども新聞発行 毎日小学生新聞が初の記事提供

 毎日新聞社は1月9日、琉球新報社への毎日小学生新聞の記事・写真提供を始めた。小学生新聞記事の他紙への配信は初めて。琉球は同日、独自の企画などを組み合わせて週刊の別刷り「新報小中学生新聞 りゅうPON!」を創刊した。
 毎日は、政治、社会、スポーツなどの記事をまとめた「ニュース交差点」、言葉の意味や読み書きを出題する「めざせ!国語力検定」などから週に7本の記事を配信。さらに、月1回のジャーナリスト・池上彰さんによるニュース解説「教えて!池上さん」、童話や曲などを切り口に1つのテーマを掘り下げる「ぼくらは教科書探偵団」の2本も提供する。毎日の「教育と新聞」推進本部と琉球の社会部が窓口となり、メールでやり取りをする。
毎日が毎小記事を他紙に配信 琉球は提供受け別刷り創刊|報道界ニュース|日本新聞協会

 新聞業界不況の中、唯一部数が伸び続けているのが小中学生をターゲットにした「こども新聞」。朝日と毎日がそれぞれ発行しており、毎日小学生新聞は3年以上連続で前年同月比増を続けている。業界紙によると読売新聞もこの春から参入するといわれている。
 そんな中、毎日新聞が発行する毎日小学生新聞に、地方紙に記事・写真の配信を開始するという新しい動きが始まった。沖縄の県紙・琉球新報が、これまでの子供向け面を刷新し、日曜日に挟み込みの別刷り媒体として「りゅうPON!」を創刊する。構成は8ページブランケット(A2)のフルカラー。ここに毎日小学生新聞がニュース解説、読み物、問題などの週7本の記事を配信し、自社の独自企画や共同通信の記事、あるいは東京新聞のサンデー版大図解を組み合わせて1つの媒体を作るとのこと。
 つまり毎日は、中部地区で中日新聞の販売店がやっているように毎日小学生新聞そのものを売ってもらうのではなく、「ウチは素材を提供するので、あとの組み合わせは各社ご自由に」というコンテンツ提供者のスタンスも取っていくということになる。これが全国の地方紙に広がれば、自社ブランドで販売しなくても収益化できるという判断なのだろう。
 「2ちゃんねる育児版に見る主婦の新聞観」でも、こども新聞に対する関心は高いように感じた。朝日や毎日のように、単独媒体として販売していくのがいいのか、それとも琉球新報のように新聞本紙の日曜版のように週1で挟み込みするのがいいのか、どちらが良いのかはなかなか難しい問題ではあるが、少なくとも通常紙面の中に収容するよりは別刷りとして分離させた方が、注目度は高くなるような気がする。琉球新報がこの試みで、「日曜日は子どもと一緒に新聞を読もう」というムーブメントを広げ、次世代の読者を育てることにつながるかどうかに注目したい。