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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日・読売・中日が関東で航空写真を相互提供

 朝日新聞社と読売新聞東京本社、中日新聞社は10月1日から、航空写真の相互提供などを始める。航空取材力の強化が目的の協力で、取材競争を妨げるものではない。
 航空写真の相互提供は、事件事故、災害の発生時に自社航空機(ヘリ、ジェット機)が整備や故障などにより使用不能で、第一報となる写真の撮影ができない場合に無償で実施する。紙面に掲載する写真には「朝日(読売、中日)新聞社提供」と提供社名を明記する。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木の1都6県と、その沖合で撮影した航空写真が対象。対象エリアは今後、3社で協議のうえ拡大を検討する。
 また、航空機整備業務の効率化のため、工具類の相互貸借も始める。3社が整備場(格納庫)で所有する工具類を無償で貸借する。
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 10月1日からは共同通信社が東日本で毎日新聞社と、西日本で産経新聞社と航空取材の協力を開始するが、それと同じ日に朝日新聞社、読売新聞東京本社、中日新聞社も航空写真の相互提供を開始する。対象となるのは首都圏なので、業界的には中日新聞というより朝日・読売と東京新聞と理解した方がわかりやすい。整備用に使用する工具の無償貸借も行うことで、業務の効率化につなげる狙いもあるようだ。
 ただ、朝日新聞に掲載された発表を見る限りでは、共同と毎日、産経のように「2社がそれぞれ一定期間を当番として受け持ち、その間の航空取材を担当して撮影した動画・写真を相互に提供する」のではなく、「自社航空機が整備や故障などの使用不能時に限り、写真を無償で提供する」という協力。前者に比べいくぶん協力の度合いは低く、現時点ではあくまで自社航空機の都合がつかないための保険という意味合いを受ける。
 共同や産経と違い、3社とも自社の航空機を持っているので、今の段階では完全に業務分担するというところまでいかないのだろう。各社ウェブサイトの会社概要によると、朝日はジェット機1機、ヘリコプター4機。読売はジェット機2機、ヘリコプター4機を持っている(中日は記載なし)。
 朝日と読売は今年4月から鹿児島県で記事・写真の相互提供を開始しているが、首都圏でも航空取材の協力を始めることになった。そこに共同通信の加盟社である中日新聞が加わっているのは興味深い。様々な思惑が絡み合っているように感じる。