edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日、約4割引の学割キャンペーンを41都道府県で実施  

 朝日新聞社は経済的負担が大きい学生を支援するため、9月1日から「秋の学割キャンペーン」を開始した。10年春に続く実験で、今回は実施地域をほぼ全国に広げた。購読料は春と同じセット版地区2500円、統合版地区2000円。キャンペーンは11月30日に終了する。
 朝日新聞社は09年春に弘前大、同年秋から金沢大で学割の実験を開始した。10年春には対象地域、大学を広げ、首都圏19大学、東北地方、茨城県の4大学、大阪本社の統合版地区23大学、計46大学で実施した。これらを踏まえ、大学生の就活シーズンが始まる10年秋にも実施対象、宣伝方法などを変えて引き続き実験し、効果を測定することにした。公正取引委員会からは、新聞業の特殊指定告示にある「正当かつ合理的な理由」が認められるとの見解を得た。(中略)
 申し込みはこれまでの専用はがきに加え、インターネットからもできるようにした。ネットではアサヒ・コムた大学生が多く集まるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のサイトに掲載した広告から申し込める。
 (新聞情報 2010年9月1日「朝日が学割キャンペーン 41都道府県に対象拡大より) 

 朝日新聞社が9月1日から一人暮らしの大学生を対象に新聞購読の大幅な割引キャンペーンを行う。対象地域は静岡、山梨、新潟、富山、沖縄を除く全都道府県で、セット版地区は2500円、統合版地区は2000円。定価はセット版3997円であるから、37%オフというかなり思い切った割引価格だ。契約は1年が基本で、途中解約はできず、帰省時などの一時止めでの値引きもしない。支払いは自動振込みかクレジットカードのみ。本人確認は契約時に販売店が学生証で行う。概要や申し込みは以下のサイトに詳細がある。
朝日新聞学割キャンペーン!
 気になるのは、販売店にいくらで卸すことになるのかというところ。新聞販売に詳しいブログ「今だけ委員長の独り言」によると、春に首都圏で実施した「新入生応援 学割キャンペーン」の場合、卸値は同じで1契約1カ月あたり850円を奨励金として支給するが、販売店が支払う紹介料が1件につき7,500円発生するので、850円の補てんから625円(7,500円÷12カ月)を差し引くとひと月225円の収入増にしかならないということらしい。
とうとうパンドラの箱が開いた「朝日新聞 新入生応援 学割キャンペーン」: 今だけ委員長の独りごと
 一人暮らしの大学生が卒業後もその店から引き続き取る可能性は薄いだろうから、紹介料の額が下がっていなければ販売店にとっておいしい話ではないだろう。上記ブログでも触れられている通り、本社主導の色がかなり濃いようだ。
 秋からの大学生の就職活動スタートに狙いを定め、大学生が良く使っているSNSに広告を出すなど、目の付け所はなかなか鋭いように感じる。この春、読売が就職情報サイト「リクナビ」に時事問題のクイズゲームを提供していたが、それよりもかなり直接的に新聞購読に結びつけるという点で踏み込んでいる。