edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

新聞がめくりやすくなるアイテム「新聞クリップ」

 新聞の売上が落ちているのは、何もネットばかりのせいではないだろう。それ以前に、例えば、あの大きな版型とか、ガサつく紙の質とか、価格とか、段組みを含む工夫のないレイアウトとか、改善の余地は沢山あって、でも、それをどうにかしようという取り組みが行われているように思えないのだ。
 それを実感したのが、この「SHINBUN CLIP」を使った時。ボールペンのような見た目のスティックを、新聞の二つ折りされた部分に差し込むだけで、新聞が劇的に読みやすくなったのだ。アイディアはシンプルだけど、差し込み部分に紙を巻き込むような仕掛けがあるなど、丁寧に作られていて好感が持てるグッズだ。紙を折り曲げただけのページ物なら、差し込むだけでページめくりが格段に楽になって、スムーズに読める。これを胸ポケットにでも差しておけば、新聞を読む際のストレスが相当減る優れ物グッズ(しかも安くてデザインバリエーションも豊富)なのだ。問題は、これが読む側から生まれたということ。出来れば読み易さへのアプローチは新聞側がやって欲しい。新聞社はこういうグッズを読者全員に配ればいいのに。
新聞の新しい読み方 | ライフスタイル | All About Tips+

 ツイッター(via @jazzcup)で見つけたネタ。All About内の男性向けサイト「For M」の“今日の一品”的なグッズや豆知識を紹介するコーナーに掲載されていた。Amazonや楽天では238円で売っている。差し込むには若干慣れがいるが、日経のように朝刊が40ページを超える分厚さがあってもスムーズにめくれるようになる。


 自分は以前、読売新聞の方がとあるセミナーで講演を行った際、資料と一緒に読売新聞社の会員制サイト「ヨリモ」をPRするグッズとしてもらったことがある。これまで新聞社は文章の書き方や見出しのつけ方や記事のの流れ方といった、紙面そのものに対する「読みやすさ」についてはものすごい執念をかけてきた。しかし、上記記事にあるように「商品そのものの扱いやすさや読みやすさ」といった領域については確かにあまり熱心に取り組んでこなかった。読売新聞がこういったグッズを提供していることについては、「あくまで紙にこだわる」姿勢を感じた。
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 ちなみに、新聞販売方面に某氏に、「拡材(新聞の勧誘時に使う景品)」にしたらどうかと尋ねたところ、「昔使ったことがあるが、あまり効果がなかった。こういうグッズに反応する層はすでに新聞を取っている」とのこと。とはいえ、現読者に対して「このアイテムを使えば、こんなに新聞が読みやすくなりますよ」という、読者の満足度を上げる方向でのアプローチの手法はアリではないだろうか。