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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

ポケモンにドラえもん、新聞めくる習慣作りにキャラクター活用

 新聞をめくる習慣をつけてもらおうと、各種キャラクターを活用しながら、掲載面を変えて、言葉の意味やクイズの答えを載せる新聞社が増えている。そんな試みのさきがけは、読売新聞が昨年3月に始めた「ポケモンといっしょに覚えよう! ことわざ大百科」。毎回、異なる紙面でことわざとポケモンのキャラクターを紹介し、読者からの反響を呼んだ。昨年12月からは第2弾として漢字の熟語を取り上げた「ポケモンといっしょに覚えよう! 熟語大辞典」を連載している。読売をはじめとする各社の取り組みをまとめた。
(文化通信 6月28日付「新聞めくる習慣 キャラクター使って」)

企画名 スタート月 使用キャラクター
読売新聞 ポケモンといっしょにおぼえよう! ことわざ大百科」 2009年3月 ポケットモンスター
読売新聞 ポケモンといっしょにおぼえよう! 熟語大辞典 2009年12月 ポケットモンスター
朝日新聞 「しつもん! ドラえもん 2010年1月 ドラえもん
福島民友新聞 ハローキティ検定」 2010年1月 ハローキティ
大分合同新聞 「教えて! ぶんぶん」 2010年2月 ぶんぶん(自社マスコット)
北國/富山新聞 「ヒラリ君クイズ」 2010年3月 ヒラリ君(自社4コマ漫画キャラ)
岐阜新聞 「ウカイくんの1日1問クイズ」 2010年4月 ウカイくん(自社マスコット)
中国新聞 「ちゅーピーと学ぼう!」 2010年4月 ちゅーピー(自社マスコット)
徳島新聞 「一日一問クイズ」 2010年4月 とくちゃん、しまちゃん(自社マスコット)
高知新聞 「にゅーすけクイズ」 2010年4月 にゅーすけ(自社マスコット)

 新聞・出版の業界紙「文化通信」に面白い話題が出ていたのでメモ。子どもに親しみのあるキャラクターを使い、問題を解きながら新聞をめくる習慣をつけてもらおうとする試みが全国の新聞社に広がっている。
 パターンとしては、1面で雑学やことわざ、熟語などの簡単な問題を出題し、中面のどこか(カラーが使える面)で答えを掲載するという体裁を取っているところが多い。毎日、答えとなる部分を異なる紙面に掲載することで、読者にいろんなページをめくってもらおうという効果を狙っている社が多いようだ。ちょうど手元にあった読売・朝日・岐阜の3紙を並べるとこんな感じ(クリックで拡大)。
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 さきがけとなった読売は、広告局と小学館集英社プロダクションの会話の中で「新聞とポケモンを組み合わせて、活字文化に親しんでもらえないか」ということがきっかけとなり実現となった。これまで全国の読者から7000件を超える声が寄せられたとのこと。意外なことに、おじいちゃんおばあちゃん世代からの反応が多かったそうだ。孫世代が夢中なポケモンを通して共通な話題で盛り上がれる、という情景が目に浮かぶ…。第1弾の「ことわざ大百科」は本にまとめられ、今年2月から読売新聞販売店のみで販売したとのこと。また、会員制度「ヨリモ」の読者会員限定のコンテンツともなっている。
 また、大分合同は先日も紹介したが、地元の方言である大分弁を問題の素材にしている。詳しくはこちらの記事参照。(⇒地域語の経済と社会 第93回 『大分合同新聞』の「方言連載」)。若者世代に使われなくなりつつある方言を取り上げることで、地域文化の継承も目指しているようだ。
 岐阜、高知、徳島、北國の4紙は問題については専門業者から提供を受けつつも、自社マスコットキャラクターや4コマ漫画のキャラクターを使用して親しみやすさを出しているとのこと。
 読売がポケモンなら朝日はドラえもんで追いかけるという図式は楽しいものがあるが、そういえば両方とも小学館が関わっているんだなあ…。福島民友がサンリオとハローキティのキャラクター使用契約をしていることもちょっと驚いた。
【参考】朝日新聞の1面に好評連載 「しつもん!ドラえもん」 CM放送中