産経新聞社は大幅リストラで減収増益 ２２年３月期決算短信

⇒　産経新聞社　平成22年3月期決算短信（PDF）
　5月25日に発表された産経新聞社の平成22年3月期の決算短信が広報・ＩＲサイトに出ていた。連結売上高は1406億と前年比11.9%のマイナスも、営業利益は22億と前年比187%、経常利益については17.7億と前年比747%と大きく増加した。
　売上高が減少しているのに増益となっている背景は、売上原価と販売費および一般管理費の大幅な減少がある。売上原価は934億と10.4%のマイナス、販売費および一般管理費については449億と17.8%も減少している。実に１割以上の経費節減をやっているわけで、売上原価については減ページや販売店への送り部数の削減（いわゆる「押し紙」の削減による部数の３割減）が影響しているだろうが、人件費や取材費などのコストカットも2割近くと中で働く人たちにとってもハンパないリストラが行われているのだろう。
　株主総会後にはもう少し詳しい資料が見られるだろう。MSN産経ニュースやizaといったウェブサイトをはじめとするデジタル事業がどの程度売上に寄与しているのか注目したい。
　一方で、返済期限の近づいている借入金の返済および、以前実施した第1回社債の償還を目的とした50億円の無担保社債の発行も行っている（参考PDF）。こちらについても多少気になるところ。キャッシュフロー計算書についてももう少し詳しく調べてみたい。