産経新聞iPad版と無料のiPhone版が実用上あまり差がない件(追記あり)
6月3日、産経新聞iPhone版のアップデートがあり、iPhone版をiPadで利用することはできなくなった。iPadで利用するには7月から有料の「産経新聞HD」を使わなければならない。これまでフリー路線を貫いてきた産経にしては珍しい判断のように感じる。
6月末までは無料で、それ以降は30日1500円と発表されているiPadアプリの「産経新聞HD」だが、一方で無料のiPhone版を今後続けるかどうかについては特にアナウンスされていない。
iPhoneの無料版は認知と誘引のために今後も無料で展開し、iPad版を高画質で提供して課金するのかと思っていたが、実はiPhoneアプリの大半はiPadでも動かすことができる。そこで、iPhone版の画面を2倍にしてiPadで表示させたときにどの程度差があるのか、検証してみることにした。
産経新聞iPad版(アプリ名:産経新聞HD)
産経新聞iPhone版をiPad上で拡大表示(アプリ名:産経新聞)
いかがだろうか。通常の表示を単純に2倍拡大して表示させているため、iPhone版の方が若干文字がぼやける印象があるが、「さらっと記事を読んで写真を見る」といったレベルであれば、実用上ほとんど差し支えない程度の差しかないように見える。
さて、こんなことは提供する産経側は百も承知のことであろう。今後の展開についてあれこれ想像してみる。
- 6月末をもって無料のiPhone版の提供を停止
- 無料のiPhone版は主要面(1面と政治・経済・社会・テレビなど)に絞り、有料のiPad版はすべての面を閲覧可にする。
- iPhone版をiPad版で見られないようにする
- 有料のiPad版に動画や他の写真などの付加価値をつける
無料版を完全にやめてしまうのは、先日メモした産経デジタル・近藤社長のインタビューの内容からして考えにくいので、可能性が高いのは2か3か。4は月1、2回刊行の雑誌ならともかく、日刊でやるとなると人手の問題で厳しそうな気がする。