日経電子版、5月からコンテンツを拡充
4月17日に有料会員数が6万人を突破したことを発表した日経電子版だが、4月30日までは無料期間であり、「とりあえずお試しで」契約した人が5月からは解約してしまう可能性がある。それに備えてかどうかはわからないが、5月から電子版でコンテンツの大幅な拡充が行われることが4月25日の日本経済新聞朝刊で見開き面を使って紹介された。
主に、ニュースコンテンツ、「経営者ブログ」に新ブロガー、趣味・カルチャー情報の充実が柱。以下、拡充内容を抜粋。
ニュースコンテンツ
- 大型特集…6月のサッカーワールドカップ南アフリカ大会特集、7月の参議院選挙特集
- 映像ニュース「1週間巻き戻し」…1週間分のニュース映像をコンパクトにまとめ、土曜日の朝に配信
- 日銀総裁会見スピード解説…日銀の発表する金融政策や統計などに独自の解説をいち早く掲載
- 決算発表に即応…これからラッシュとなる上場企業の決算発表に即応し、速報記事、記者会見の詳細に加え、独自の視点で分析する「記者の目」を配信
- 新コーナー「環境」…再生可能エネルギーや電気自動車、次世代送電網といった環境技術関連の記事やコラムを充実
趣味・カルチャー情報
- 人気作家6人によるリレー小説…重松清、野中柊、石田衣良、大崎善生、盛田隆二、津村記久子の6人によるリレー小説。パソコン上で縦書きで表示される。5月からは「働く」をキーワードに、1人の作家が1カ月短編小説を担当する。
- オルセー美術館展のバーチャル展示…5月26日から国立新美術館で始まる「オルセー美術館展2010」の主な出品作を電子版でバーチャル展示。読者が実際に見たい作品の人気ランキングも実施
パッとみたところ、たくさんのコンテンツの充実で新規契約者へのアピールと解約防止を訴えているようだ。まだ創刊して2カ月足らずであり、ドラスティックに構造や機能やシステムを改善するというところにはいかないのだろう。個人的には西川善文氏のブログが楽しみ。
ただ、4月23日の日経が主催したフォーラムでは、パネリストとして登場したIT企業の社長から「もっとソーシャルメディアとして盛り上がれる場を」という指摘がなされており、日経側もソーシャルメディア方面についての取り組みが弱いというという認識があったようなので、目先の会員数だけでなく、どの程度ネットユーザーの声を拾っていける(お金を出してもいいと思わせる)のか、今後も注目していきたい。
【参考】チームラボ猪子さんの指摘が鋭すぎw日経Web版はこの議論から何を学ぶのか?:平凡でもフルーツでもなく、、、:ITmedia オルタナティブ・ブログ