edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経デジタル社長インタビュー「守りの意識では可能性開けない」

 新聞、広告、出版といったマスコミ業界の専門紙「文化通信」の4月12日付けで、産経デジタル社長の近藤哲司氏のインタビューが載っていた。「守りの意識では可能性開けない」という見出しで、産経新聞iPhone版の無料戦略や、今後の展開について語っている。ちなみに新聞オンライン.COMという「電子新聞のポータルサイト」で4月18日までは無料で読めるので興味のある方はお早めに。
 産経新聞iPhone版といえば、業界からは「なぜ無料で出した」「これが出たから有料化の敷居が高くなった」と非難され、ユーザーからは「(便利だけど)なぜ新聞が毎日無料で読めるのか?今だに意味がわかりません!」など評される、いい意味でも悪い意味でも話題のiPhoneアプリ。無料アプリの中でも人気はかなり高い部類に入る。
 新聞の持つ「記事の一覧性および価値判断」をもっともわかりやすい形で提示した産経新聞iPhone版。5月末に日本で発売されることが発表されたiPadになれば、間違いなく使いやすさや見やすさは向上する。それまでには何か仕掛けてくるのではないだろうか。インタビュー中で「iPhone版への広告営業活動の本格化」に言及していることを考えると、有料化という線は薄そうだが…。
 以下、抜粋。

 iPhoneの日本国内での販売台数は公表されていませんが、おそらく200数十万台ではないでしょうか。そのユーザーのだいたい4〜5割の人に、とりあえず一度は触っていただいたという印象です。
 数はいまだに伸びており、長期的に見るとスタートからずっと右肩上がりです。これまで数の公表は控えてきましたが、次の展開を考えており、近くそのタイミングを見計らうことになるでしょう。

 「紙の新聞のネットユーザーの評価は、「新聞を持つ、読むのは格好悪い」など辛らつなものが多い。ところが紙と全く同じ内容を配信しているのに、不思議なことにiPhoneで見るのは「格好良い」と言うんです。

 新聞レイアウトの価値が、これから先のテクノロジーに合わせて、何がしかの価値をもう一度付け加えたり、上げることが可能になるかもしれないと感じています。

――(iPhone版の)広告で新しい試みをしていますね。
 去年からiPhone版にだけに入れる新たな広告の実験も進めています。iPhone版の広告価値を認めてくれるクライアントも多くなり、料金体系は固まっていませんが、4月の後半から、産経本社の営業局と連携した広告営業を始めます。