edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞が紙面データベースを拡充 明治の創刊からの紙面がそろう

 朝日新聞社は、4月1日より図書館・大学向けデータベースの「聞蔵(きくぞう)Ⅱビジュアル」に収録している朝日新聞記事データベースの収録件数を大幅に拡大します。朝日新聞の創刊から現在に至るまでの全紙面をデータベース化し、聞蔵Ⅱに収録しました。これにより、国内で最大規模の新聞紙面データベースが誕生しました。
朝日新聞記事データベース「聞蔵IIビジュアル」の収録件数を大幅に拡大(PDF)

 昨年の読売新聞記事データベースに続き、朝日新聞もオンライン記事データベース「聞蔵IIビジュアル」に1879年(明治12年)の創刊以来の紙面を収録した。
 ただマイクロフィルム化されていた紙面をデジタル化しただけでなく、読売と同様に日付・年表・キーワード・分類の各方法で検索を可能にしたり、紙面広告も検索できるようにしている。アルファベットと違い、マイクロ化された日本語の新聞のOCR化はほとんど実用にならない。一つ一つの記事について見出しやキーワード、ジャンルを人の手で入力したのだろう。率直に敬意を表したい。
 これにより、創刊以来の130年の紙面データをオンラインデータベースで検索できることになる。
明治から2005年10月までは紙面全体のイメージが、2005年11月以降は切り抜き単位のPDF画像を見ることができる。
 利用は公共図書館および大学が対象で、料金は1ID27,300円から。他のデータベース商品として紙面イメージがなく、記事検索のみができる「聞蔵」、小中高向けの「朝日けんさくくん」、一般企業向けの「キジサク」、個人向けの「asahi.com perfect」などがラインナップされている。
朝日新聞デジタル:有料記事検索のご案内
 また、今回のデータベースの拡充にあわせ、「朝日新聞歴史写真アーカイブ」という歴史写真もオンラインデータベースで検索および閲覧できるようになる。約7万枚の写真が収録されているとのこと。
 朝日・読売のオンラインデータベースが紙面画像の完全収録を果たしたことで、新聞縮刷版の存在意義は相当薄れてしまったのではないだろうか。縮刷版をパラパラめくって目当ての記事を探すのが便利な時がないわけではないが、キーワード検索ができ、さらに紙面もすべてPDF画像で見られるのであれば、図書館(収蔵スペースの問題)と利用者(記事検索)で双方にとってメリットがあるデータベースがその代替となることは時代の流れのように感じる。
 あとは縮刷版に比べやや価格が高くなることによる導入先の予算の問題か。いっそ新聞社側が「縮刷版はもうやめます」と言ってしまえば、嫌でも記事データベースを契約せざるをえないところが多いかもしれない。