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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞編集局、新幹線不通でTwitterを駆使 取材にも活用

 1月29日午後に発生した東海道新幹線の架線切れによる上下線の運休。3000人が車内に閉じ込められ4時間近くに渡って不通となり、東京〜名古屋〜大阪の各駅の乗客ら15万人にも及ぶ大きな影響が出た。
朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?
 仕事に旅行にと毎日膨大な数の人が利用する日本の大動脈であったため、Twitter(ツイッター)で言及したユーザーも多く、停止した車両の中からのつぶやきも散見された。午後3時から6時くらいまでは「新幹線」をキーワードにしてリアルタイム検索を行うと、数十秒ごとに100件単位で新しいつぶやきが更新されるという状況だった。
 そんな中、先日「JAL上場廃止へ」をTwitterでいち早く予告した朝日新聞の東京本社編集局はかなり意欲的にTwitterを活用していた。15時くらいから断続的に、集まってきた情報をTwitterで発信。「架線が切れたもよう」「駅の電光板では「復旧作業は16時ごろ終了の見込み」と流れていますが、16時を過ぎても、JRからの公式の発表はないようです。」「運転再開情報があり、確認中です。」などの書き込みを行っていた。
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 さらに興味深かったのが、TwitterのReply機能(特定のユーザーに対して返信を行うこと)を利用して、車内に閉じ込められていると推定されるユーザーに「いま、車内はどんな感じですか?」と取材(?)を行っていた。その問いかけの様子は以下のスクリーンショットでうかがうことができる。
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asahi.com:新幹線車内にしりあがり寿さん、ツイッターで実況中継 - 社会
 結局この日、朝日新聞東京本社編集局のツイッターアカウントは1日で72回のつぶやきの投稿を行っていた。それまでの日が平均して20回前後であったので、大幅に増えていることがわかる。
 今回の件は、今後の災害や事故時において新聞社がTwitterを活用する例のモデルケースとしてなりうるかもしれない。現場で取材している記者はおそらくTwitterでつぶやいている暇はない(そんな暇があったらネタを追え!と上司に怒鳴られる)だろうが、情報は逐一デスクに上げる必要はある。そうやって集積された情報をある程度まとめ、随時Twitterに発信していくというスタンスは現状の紙面制作体制のなかでも適用可能だろう。