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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

準キー局でも進むテレビと新聞の取材一本化 朝日新聞と朝日放送

 昨日の「『電子新聞』に賭ける日経社長の成長戦略」が掲載されているFACTA2月号を見に行ったついでに見つけた記事。このように自分が意図しなかった面白い記事が読めるのが雑誌のいいところ。
 昨年12月、朝日新聞社と大阪の準キー局朝日放送が資本の相互持ち合いや業務提携で合意(発表記事)したが、報道の現場では取材記者や取材ネタの共同、さらには取材部門の統合まで視野に入れているとこと。現に朝日放送の社員が朝日新聞の編集局に出向したり、その逆のことも行われているそうだ。「ネタの出口を出身母体に限る意識はほとんどなくなっている」という朝日放送の報道部員のコメントも紹介されている。実際に同じネタを新聞とテレビの両方に書き分けるケースも増えているそうだ。
 地方では山形新聞と山形放送、静岡新聞とSBS、山梨日日新聞YBS山梨放送、岐阜新聞岐阜放送など新聞とテレビが強固に結びつき、そもそも取材部門の共有化がされてきた県はたくさんあるが、準キー局である関西圏でもこのような動きが出てきたというのは注目すべき動きだろう。
 テレビ局にとってみれば報道はコストセンターであり、新聞のように販売収入があるわけではなく広告収入一本でやっている以上、それほどお金はかけたくないのが本音だろう。例えば日常の事件事故(小さな交通事故やコンビニ強盗など、現場の画が数カットあればよいもの)の報道であればわざわざテレビ局のスタッフは出ることなく、新聞の記者が取材ついでに小型ビデオカメラで数カット撮ればとりあえず夕方のニュースには使える。最近では手のひらサイズでもフルHD動画が撮れるカメラがいくつもあり、それを新聞記者に渡して教育すればオンエアでも使える映像は(一応)撮れる。実際に共同通信社は一線の取材記者全員にムービーが撮れるデジカメを配備しているようだし。
 在京キー局と在京新聞社が取材部門の一本化に動き出すとはまだ考えにくいが、それ以外の地域でもコストに苦しむテレビ局ではこういう動きが今後も出てくるかもしれない。同じく準キー局である名古屋圏ではどうなのだろうか。