中国と山陽が記事・写真の相互配信開始、官公庁や企業情報中心
山陽新聞社と中国新聞社は昨年十二月、岡山、広島両県内の官公庁や企業情報を中心とした記事・写真の相互配信について合意し、五日付朝刊紙面からスタートさせた。販売面では、福山市などで競合する隣接県の地方紙同士が相互にニュースを交換するのは珍しいケースで、共同通信社と加盟社が、全国的に加盟社間で記事や画像の交換を検討しているシステムづくりに先立つものとなった。
(1月8日付 新聞之新聞)
業界紙「新聞之新聞」から中国新聞と山陽新聞の記事・写真の相互配信が始まった記事をメモ。昨年12月に合意し、1月5日付紙面から開始した。山陽新聞は岡山県内の、中国新聞は広島県内の行政や企業情報を軸に、地元の話題やイベント記事・写真を当面毎日10本をメドに交換することとし、順次拡大していくとのこと。
北海道新聞・中日新聞・西日本新聞(ブロック紙三社連合)や、京都新聞と神戸新聞、山梨日日新聞と静岡新聞のように、販売エリアが原則として重ならない地方紙が記事交換や災害時の相互協力協定を締結することは珍しくないが、隣接県同士で、しかも一部ながら販売エリアの重なる地方紙同士が記事・写真の相互交換を行うというのは非常に珍しいケースであると言える。
記事によると、「ニュース記事を相互に配信し、あわせて効率的な取材を図ることを主な目的」とある。ようするに発表モノや20行程度の小さなイベントの記事は(≒誰が書いてもそんなに変わらない記事)は、わざわざ2社が現場に行くことなく、片方が取材した記事や写真を両社の紙面に使えばよいということなのだろうか。個人的には「誰が取材したか」はともかく、「どちらが取材したか」くらいは明記しておいてほしいと思うが。
中国新聞は岡山県内には岡山・笠岡・井原の三支局を置き、山陽新聞は広島と福山に支社を、尾道・三原・東城に支局を置いている。これらの隣県支社支局のスタッフについても、共同通信からの配信を受けることで地方の通信部20カ所廃止する方針の毎日新聞と同様に、人員削減を進めていくつもりなのだろう。