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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

北日本新聞がウェブ新聞を創刊、朝刊購読者は無料

 富山県に本社を置く北日本新聞社は、2010年1月1日にウェブ新聞を創刊する。サイトを紙の新聞の補完ではなく速報性のある情報発信の場と位置付け、朝刊に先がけて県内や全国、海外のニュースをいち早く掲載するという。
 ジャンルは「ニュース」「スポーツ」「くらし情報」の3つ。紙面に掲載しない写真やグラフのほか、店舗やレシピ検索など、紙の新聞にはないコンテンツも提供する。朝刊の紙面画像も掲載するという。また、電子スクラップ機能も用意し、利用者が気になった情報をためておけるようにする。
 創刊当初は無料で公開し、誰でも見られるようにするが、一定期間後は会員制に移行する。朝刊購読者は無料でIDとパスワードを取得でき、全てのページと機能を利用できる。県外や海外など配達区域外に住んでいる人は、有料の特別会員になることですべてを閲覧できるという。ただし、全国/海外ニュースや一部の生活情報は誰でも見られるようにするとのことだ。
北日本新聞、ウェブ新聞を創刊へ--配達区域外は有料配信 - CNET Japan

 先日、年内での夕刊の休止を発表した富山の県紙・北日本新聞が、2010年1月1日からウェブ新聞を創刊することを発表した。
<公式リリース>ウェブ新聞創刊のお知らせ-北日本新聞社
 リリースにある「ウェブ新聞」という言葉の定義が興味深い。北日本新聞社は「電子新聞」との定義の違いを以下のようにとらえているようだ。

  • 電子新聞…紙の新聞をそのまま画像イメージ化し、インターネットを通じて配布、または閲覧すること
  • ウェブ新聞…紙の新聞と違い、ウェブの特性を生かした締め切り時間のない継続的な記事掲載や情報発信、あるいは独自サービスの提供を行う

 朝刊購読者にIDとパスワードを配布し無料で閲覧可能にさせ、県外の希望者には有料の会員制度を設けるという点で言えば、青森の東奥日報の「東奥ウェブ読者くらぶ」に類似している。朝刊の紙面画像を会員限定で公開するといったあたりも「東奥日報電子版」と多少関連性がありそうだし、会員限定コンテンツに動画ニュースをもってくるといったことなども含め、先行社を随分研究したように感じられる。なお両社ともネット上での読者の情報発信支援や交流といったテーマにはあまり触れていない。
 過去のエントリ「自社記事をクローズドにする地方紙ウェブサイト」で紹介したように、最近の地方紙は自社記事をウェブ上で全面フリーにしない社が増えている。次はどの社が会員制に移行するのだろうか。ちょうどアメリカでも10月28日からニューヨーク・ロングアイランドの日刊紙Newsdayが週5ドルの有料化を始めている。
メディア・パブ: 新聞サイトの有料化で先行したNewsday,ユニークビジター数が21%減る
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