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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

ニューズ社がグーグルへの不掲載とマイクロソフト検索エンジンとの提携を検討

[ニューヨーク 22日 ロイター] 米マイクロソフトルパート・マードック氏率いる米ニューズ・コーポレーションが、ニューズ傘下のニュースサイトを米グーグルのサイトに掲載できなくすることなどで協議中であることが分かった。これにより、ニューズはマイクロソフトから報酬を得るという。事情に詳しい関係筋が22日、明らかにした。
 ニューズは、米ウォールストリート ・ジャーナル紙や英サン紙などを傘下に収めるメディア大手。関係筋によると、両社の協議はまだ初期段階だという。
米ニューズ、グーグルへの記事不掲載でマイクロソフトと協議 | Reuters

 「ニュースサイトの有料化」を唱えるマードック氏の動きを伝える記事だが、前段階としてこの記事も合わせて読んでおきたい。

 彼はオンラインコンテンツの有料ビジネスの成功事例としてWSJ.comを取り上げ,WSJ.comを見習ってメディア業界が手を組んでpay  wall(課金の壁)を設けるべきだと呼びかけている。ところがマードックの行動には矛盾が残っている。その有料のWSJ.comの記事がグーグルの検索エンジン経由でタダで読めることがあるのだ。
メディア・パブ: マードックの矛盾,盗人グーグル経由で有料のWSJ記事がタダで読めるのはなぜ

 メディア・パブさんの記事によれば、WSJ.comのトップページから見出しをクリックして読もうとすると「ここから先は有料です」という警告が出る記事であっても、Googlediggソーシャルブックマークサイト)で見出しと同じフレーズを検索すると全文を読めてしまうページにたどり着けるケースがあるとのこと。Googleを敵視する発言が相次いでいるマードック氏傘下の新聞社が、こういった検索エンジンやソーシャルブックマーク経由で読者を増やす対策をとるのは矛盾ではないか、ということを指摘している。
 この記事の内容を踏まえたうえで今回の明らかになったマイクロソフトとの提携協議について考えると、Googleで有料記事が直接読めるのを廃止する代わりに、マイクロソフトの検索エンジン(bing)で同じことをするのではないだろうか。検索エンジンでの利用シェア向上を図りたいマイクロソフトが、通常は有料のコンテンツを自社の検索エンジン経由での訪問については無料で行えるようにする代わりに、ニューズ社に対しある程度の利用料を支払うようなモデルだ。自社サイトの有料化との整合性については、「検索できるのは一部の記事。全部を一覧で読みたいなら有料登録を」という方針を打ち出せば一応の筋は通る。
 あくまで推測だが、「Googleへの不掲載」とはいっても、おそらく不掲載となるのは「これまで一般には有料だった」記事だけで、Googleクローラーを全面的に拒否するようなことはしないのではないか。