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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

神奈川新聞「カナロコ」全面刷新 地域イベント情報強化やSNSも

 神奈川新聞社のウェブサイトで、日本の新聞社としては初めてブログシステムを中核して2005年2月に構築された「カナロコ」が、3年ぶりに10月1日に全面リニューアルした。以下、リニューアルの概要を2009年9月29日付けの業界紙「新聞之新聞」記事からまとめ。

  • コンセプトは「知る×つながる=動きだす」
  • リニューアルの目玉は地域のイベント・催し物情報を網羅する「バザール」。神奈川新聞紙上の人気ページのウェブ版で、コンサートや美術展、フリーマーケット、ウォーク、産直や朝一情報などを掲載。無料の会員登録をすれば公共良俗に反しない範囲で、ユーザー自身がイベント情報を投稿できる。
  • 「カナロコ」内に新たにSNS「カナココ」を創設。気のあった仲間や友達でコミュニティーをつくり、情報交換をしてもらうコーナー。名称の「カナココ」は、今いる場所=「ここ」=神奈川で活動してほしいという気持ちを込めた。SNS内ではスケジュール管理や過去記事のスクラップができるマイホームページを持つこともできる。カナロコ内の人気コンテンツで、プロ野球横浜ベイスターズを応援する「ベイスターズフィーバー」に関するコミュニティなどが立ち上がる。
  • ニュースについても「関連記事」を付加し、より理解を深めるための工夫を施す。(以上、新聞之新聞2009/9/29より)

 チラッとのぞいてみたところ、イベント情報の「バザール」とSNSの「カナココ」はキャッチーなイラストを多用しコンテンツのナビゲーションを行っている。なんとなくだが、全体のテイストやキャラクターのタッチが最近の携帯の無料ゲームサイト(GREEとか)に近いような感じがする。ユーザーに受け入れられるかどうかは未知数だが、ビジュアルの陳腐化さえ防ぐことができればウェブサイトのナビゲーションの例としてはなかなか面白いかもしれない。
 ただ、せっかく各トップページがビジュアル重視で作られているのに、一つ下のカテゴリ別ページ(例・「バザール」内の「趣味を見つける」)はテキストのリストだけの表示だったのは少し寂しく感じる。せっかくトップページのビジュアル化をがんばっているのだから、各カテゴリ別ページももう少し工夫できるのではないか。
 神奈川新聞といえば新書「新聞再生 コミュニティからの挑戦」でも取り上げられていたように、郷土愛という連帯感に基づき、地元の人たちとの結びつきをウェブサイトを通して強めていこうというという意欲的な取り組みで知られる。大手紙のTwitter利用や会社の買収、電子新聞計画など、ネット上でも話題になりやすい派手な動きに対し、一見地味だが地道に地域の人々と地に足をつけた活動を続けているように感じる。「神奈川のことならウチのサイトを見てくれればなんでもわかる」というくらいのウェブサイトになることを期待したい。