edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経記者による細田幹事長「それが国民の程度」インタビューの全文

24日の報道各社による自民党・細田幹事長のインタビュー全文を産経新聞政治部の福島香織記者が自身のブログ上に全文をアップしていた。(ブログ上では「23日」となっているが、24日のことと思われる)

 インタビュー自体は1時間にわたって行われ、書き起こすとおよそ17,000文字の分量。その中の最後で「それが国民の程度なのかもしれない」という失言が出ている。それを受け、各社は以下のように報道。およそ200〜300文字であり、実際にはこんなにしゃべっているのに、これだけしか報じられないというギャップに驚く。

 時事通信だけは要旨と失言を別の記事として掲載。

 さて、こういった失言をメインにした報道は「恣意的」と言えるだろうか。インタビュー全文を読むと、細田氏としては「自公過半数が絶対目標」「民主党の政策はバラの造花」「本当に公務員人件費2割カットできるのか」「仮に年収600万円の公務員3000人のクビを切っても180億円だ。1.1兆円の1%にしかならない」といったテーマを伝えたいということがわかる。
 しかし、インタビューの後半では「マスコミは大いに反省してもらいたい」などとマスコミに対する苦言に終始する。せっかく前半で理路整然と党の方針や民主党への批判を論じても、終わりがこれでは聞く側としてもうんざりしてしまうに違いない。ただ自民党の主張をまとめて報じるだけより、「失言」を敏感にとらえてしまうのは理由がないわけではないように感じる。
 一方、17000文字のインタビューが紙面の都合上300文字に抑えられてしまう報道各社にとっても、こういった産経の取り組みは参考になるのではないだろうか。ニュースの要点をコンパクトに伝えるということはもちろん重要だが、判断材料となる周辺情報を豊富に提供していくことで「マスコミは恣意的に報じている」「一面的だ」という批判に、ある程度答えていけるのではないかと思う。