edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

自社記事をクローズドにする地方紙ウェブサイト

 地方紙のウェブサイトを巡回していると、「この記事は会員限定です」「記事本文は紙面でご覧ください」という表現をたまに見ることがある。もちろん、大多数のサイトはそういった制限をかけてはいないのだが、「せっかくの額に汗して生み出した情報をタダで見せている!」という社内や販売店からの声など各社いろいろと事情があるのだろう。それぞれの社の方針によって自社記事をクローズにしている地方紙のウェブサイトを調べてみた。全てのサイトを細かく調べたわけではないので、ひょっとしたら抜けがあるかも知れない。もし「他にもこんな例がある」というのを知っていたら、コメント欄かメールで教えてください。
神奈川新聞「カナロコ」 screenshot
 ブログシステムを中核に据えた、地方紙でも割と積極的にウェブに取り組んでいる神奈川新聞。サイト全体にウェブ会員制度を設けており、記事へのコメントは会員のみ。ウェブサイトに掲載する大半の記事は閲覧自由だが、神奈川県内の事件・事故を扱う「カナガワ事件簿」、スポーツ系の「デイリーベイスターズ」「カナロコJリーグ」を会員限定としている。

東京新聞screenshot
 大半の記事は閲覧自由だが、「核心」「特報」「TOKYO発」というコーナーについては前文のみが掲載され、記事全文が読みたい場合は東京新聞の朝刊を購入するか携帯サイトでの閲覧方法を紹介し、購読案内のページへのリンクを貼っている。

東奥日報screenshot
 自社記事は原則すべて第一段落のみのようだ。記事の全文は「東奥日報ウェブ読者くらぶ」に入会しなければ読むことはできない。会員になるためには紙面を定期購読していることが必須。青森県外の人が会員になるためには昨年10月から始まった東奥日報電子板の契約を結ぶ必要がある。

奈良新聞screenshot
 トップページの1番上に出る記事は全文を掲載するが、他の記事は文章の途中で「…」で切り、「記事の詳細は本紙でご覧下さい」として購読案内のページへのリンクを貼っている。

愛媛新聞screenshot
 トップページの上に出る記事1〜2本は全文を掲載するが、他の記事は見出しのみしか表示させない。記事本文を読むためには「アクリートくらぶ」会員になる必要がある。愛媛県外の人は申し込みできない。愛媛新聞の購読は必須ではないようだが、住所や電話番号の入力が必須で、しかも「申し込み受付後、会員証と入会記念品をお届けに伺います」の記載があるので、事実上購読者限定になってしまうのだろう。なお、会員になると記事全文のほか動画も見られるようになるとのこと。

熊本日日新聞 screenshot 
 自社記事である「熊本のニュース」ほぼ全てについて最初の一文で切り、「全文」を押すと会員IDの入力を求められる。会員登録については愛媛新聞東奥日報のように購読者限定ではなく、誰でも無料で登録可能。会員は30日間の記事を無料で閲覧できるとのこと。

河北新報screenshot
 ここで紹介した他社とは異なりウェブサイト掲載記事の公開限定はしていないが、会員制度「コルネット会員」になると、一定期間を経過したニュースやコラム(過去半年分)、連載が終了した特集記事の閲覧ができるようになる。購読者限定ではなく、誰でも無料で登録できる。