edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

主要サイトのPVとUUを丸裸にするGoogleツールでWeb広告業界激震か

 Web業界に衝撃を与え続けてきたグーグルが、Web広告業界のビジネスの根幹を揺らがしかねないとんでもないツールを公開している。大手サイトのユニークビジター(UV)/ページビュー(PV)から、ユーザーの学歴や世帯収入といった属性まで丸見えにしてしまう「Google Ad Planner」だ。いったいどんなツールなのか。
ASCII.jp:黒船Google汐留沖に出現でWeb広告業界に激震!

 というわけで、早速Google Ad Plannerを見に行ってきた。閲覧にはGoogleアカウントが必要で、インターフェイスは英語なのでちょっと面倒だが、いやはや全くすごいツールだ。
 これまでネットレイティングスビデオリサーチインタラクティブなどの調査会社にお金を払わないと見られなかった、ウェブサイトのユニークユーザー(UU)、リーチ率、ページビュー(PV)といった数字が、これでもかというくらい並んでいる。このツール自体は昨年6月にリリースされたが、最近になって日本国内のウェブサイトのデータも参照できるようになったようだ。
 もちろん、Web広告営業を行っているサイトはそれぞれ媒体資料を用意して、自サイトのUUやPV、あるいは属性(性別や居住地、年収)といった情報を公開しているのだが、媒体資料の数値は「自社発表」のものであり、同一基準で比較したものではなかった。

 もっとも分かりやすい指標であるページビュー(PV)ひとつとってみても、検索エンジンのクローラーなどのロボットによるアクセス数を含むか否かで数字がまったく違ってしまう(サイトにもよるがロボットがPVに占める割合は30%〜50%にも達する)。たとえば月間公称70億PVの某ブログサービスは Google Ad Plannerによると20億PV以下。標準的なPVの計測方法がないとはいえ、ここまで乖離していると媒体資料の信憑性が問われてしまうだろう。
ASCII.jp:黒船Google汐留沖に出現でWeb広告業界に激震!

 某ブログサービスとは水増し疑惑沸騰中のアメブロのことか? 09年3月の数値だと11億PV程度である。日本国内からのアクセスに限ると9億6000万程度。
 これまで今まで金を払わないと見られなかったり、Alexa*1のようにデータの信頼性に問題があったインターネット上の視聴動向データがこのように出たことは率直に驚き。あくまでGoogle調査の数値*2あるが、いろいろ調べてみると面白いことがわかりそうだ。
(追記 5/25 20:45)
Google Ad Plannerで新聞社サイトのUVとPVを比較してみた - edgefirstのメモ
【参考】
ネット視聴率って、どうやって計るの? - edgefirstのメモ
Google Ad Planner
Google曰く「は? アメーバブログがPC国内だけで41億PV? 9億6,000万PVしかねーだろボケ」: やまもといちろうBLOG(ブログ)

*1:ブラウザにツールバーをインストールしたユーザーから情報を収集という偏ったサンプルであったため、試しにツールバーをインストールして自サイトを訪問しまくるとランクが急激にアップする、などという噂が流れた

*2:Google Ad Plannerのヘルプによると、Googleの検索データに、Google Analyticsのデータ、外部調査データなどを加味して算出しているとのこと